Abacus.AIでプログラミングをもっと簡単に!「Code」「Playground」「CodeLLM」機能をやさしく解説

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はじめに

 こんにちは!これまでの記事で、Abacus.AI(アバカス・エーアイ)というサービスについてお話ししてきました。Abacus.AIは、月々わずか10ドルで、たくさんの最新AI(人工知能)を使えたり、AIが自動で最適なモデルを選んでくれたり(これをRoute LLMと呼びます)、パソコンの中のファイルやデータをAIに読み込ませて活用できたりする、とっても便利な「統合AIアシスタント」なんです。

 また、絵を描いたり(画像生成)、動画を作ったり(動画生成)、話す声を作ったり(音声合成)する、クリエイティブな機能についても紹介しました。

 今回は、Abacus.AIの中でも、特にプログラミングやコンピューターに詳しい人向けの機能、「Code(コード)」「Playground(プレイグラウンド)」「CodeLLM(コードエルエルエム)」に注目してみましょう。これらの機能は、プログラミングをする人(開発者)、データを分析する人(データアナリスト)、または仕事でコンピューターの指示書(コード)を扱うことがある人にとって、作業をずっと楽にしてくれる可能性を秘めています。

Abacus.AIのプログラミングお助け機能ってどんなもの?

 Abacus.AIは、ただ質問に答えるだけのAI(チャットボット)ではありません。コンピューターの指示書である「コード」を作るのを手伝ったり、プログラミングの作業全体をサポートしたりする機能も持っています。Abacus.AIは、「難しいAI技術をもっと身近に(AIの民主化)」という目標を掲げていて、プログラミング作業にAIを簡単に組み込めるように作られています。

 具体的には、こんなお手伝いをしてくれます。

  • コードの自動入力候補表示(自動補完): コードを途中まで書くと、続きを予測して候補を出してくれます。
  • 間違い探しと修正(バグ修正): コードの中にある間違い(バグ)を見つけて直すのを手伝います。
  • AIによる新しい機能作り: 「こんな機能が欲しい」とAIに伝えると、そのためのコードを作ってくれます。
  • AIを使ったコードのチェック: AIがコードを読んで、間違いがないかチェックしたり、チームで開発するときに使うGitHub(ギットハブ)というサービスでの作業をスムーズにしたりします(コードインタープリターエラーチェックプルリクエスト合理化)。
  • 試作品(プロトタイプ)を素早く作る: アイデアをすぐに形にするお手伝いをします(プロトタイピング)。
  • 開発作業の自動化: 開発中のソフトウェアを自動でテストしたり、更新したりする仕組み作りを助けます(継続的インテグレーション)。
  • 面倒な繰り返し作業から解放: 同じような作業や退屈な作業をAIに任せて、開発をもっと効率的にします。
  • 大量のデータを整理: SQL(エスキューエル)やPython(パイソン)といったプログラミング言語を使って、たくさんのデータを分かりやすく整理するのを手伝います。
  • 複雑な作業手順の設定: 複数のステップが必要な複雑な処理や、自律的に動くAI(エージェント)のための作業手順(パイプライン)を設定するのを助けます。

 Abacus.AIは、これらの機能を通じて、AIを作るための色々な段階(機械学習のライフサイクル)をスムーズに進められるように、企業がAIモデルを開発し、学習させ(トレーニング)、実際に使えるようにする(展開)のを手伝う土台(プラットフォーム)でもあるんです。

メイン画面の「Code」機能

 Abacus.AIを開くと、チャット画面の下の方に道具箱のようなツールバーがあり、そこに「Code」というボタンがあります。これは、AIに指示してコードを作ってもらうための機能です。

 チャットの入力欄に「こんなコードを作って」というお願い(プロンプト)を入力し、「Code」ボタンを選ぶと、Abacus.AIが指示に合ったコードを作ろうとします。もし「Route LLM」機能を使っていれば、AIが自動的にコード作成が得意な別のAI(LLM:大規模言語モデル。人間のように言葉を理解し生成するAIのこと。例えばClaude Sonnet 3.5など)を選んでくれることもあります。

簡単な使い方(例):

  1. チャット入力欄に「Pythonで2つの数字を足し算する関数を作って」と入力します。
  2. ツールバーの「Code」ボタンをクリック(または選択)します。
  3. AIがPython言語で足し算を行う短いコード(関数)を生成して表示します。

    def add_numbers(a, b):
      """2つの数字を足し算する関数"""
      return a + b
    
    # 例: 5と3を足す
    result = add_numbers(5, 3)
    print(result) # 8と表示される
    
  4. 生成されたコードをコピーして、自分のプログラムで使ったり、内容についてさらに質問したりできます。

 出来上がったコードは、コピーして自分のプログラムに貼り付けて使うことができます。

 このメイン画面の「Code」機能は、短いコード(コードスニペット)をサッと作ってもらいたい時や、コードについて簡単な質問をしたり、説明を聞いたりするのに便利です。

 a、bの数を入力できるようにし、Web上で使える足し算アプリ(tashizan.html)を作成してみました。この足し算アプリをブラウザーで開くと、数字a、bを入力欄があるので、そこに自由に数字を入れ、「計算する」ボタンを押せば、結果が求められる簡単なアプリですが、チャンと動きました。

メイン画面の「Playground」機能

 「Playground(プレイグラウンド)」も、Abacus.AIのメイン画面下部のツールバーにあるボタンの一つです。「Playground」は英語で「遊び場」や「実験場」といった意味で、説明によると「実験的な機能やテスト環境」とされています。

 playground(プレイグラウンド)は、インタラクティブなコンテンツや編集可能なドキュメントを作成・編集できる機能です。主に以下のようなことができます。

  • Markdown文書の作成・編集:レポート、ブログ記事、技術ドキュメントなど、共同編集や追記がしやすいテキストコンテンツを作成できます。
  • SVG画像の作成・編集:ベクター画像(例:アイコン、図形、ロゴなど)を直接編集・プレビューできます。
  • HTMLページの作成・編集:シングルファイルのHTML/CSS/JavaScriptを使った簡単なWebページやUIのプロトタイプを作成できます。
  • Reactコンポーネントの作成・編集:インタラクティブなUI部品やアプリのプロトタイプをReact(JSX)で作成し、即座にプレビュー・編集できます。

 これらはすべて「playground」上でリアルタイムに編集・プレビューできるため、試行錯誤や共同作業にとても便利です。

 下図は、Playgroundの機能をグラフィカルに作ってもらうために、ここで書いたPlaygroundの機能の部分をコピーして添付し、プロンプトに「次にあげます文書を理解して、SVGなどを用いて文書を表現する図を描いて」とお願いして作成された図を、何度か編集を繰り返して作成した図です。

もっと本格的な「CodeLLM」機能

 「CodeLLM」は、Abacus.AIが提供する、もっと本格的にプログラミングを助けるための機能が集まったものです。

 Abacus.AIの左下にある「CodeLLM」をクリックするとウインドウが開き「Download codeLLM」と「Opne codeLLM」と言うボタンがあり、「Opne codeLLM」のボタンをクリックしても準備中と出るので、バージョンアップでそのうちAbacus.AIの操作画面からも利用できるようになるのではないでしょうか?

 「Download codeLLM」ボタンをクリックすると、Abacus.AIがあなたが利用している環境を判断して、Mac用、Linux用、Windows用のインストールファイルをダウンロードしてくれるようです。私の場合は、Windows版で「CodeLLMSetup-x64-1.96.4.25213.exe」がダウンロードされました。

  インストールし、お持ちのVSコードがある場合は、それに追加している拡張機能なども引き継げるようになっています。ただ、GitHub Copilot や GitHub Copilot Chatがインストールされている場合は、CodeLLMのAI機能とバッティングする可能性があるので、GitHub Copilot や GitHub Copilot Chatはアンインストるした方が良いでしょう。

 また、Abacus.AIのCodeLLMは、VScodeのフォーク版であるため、VScodeを利用している方は、直ぐに使い方に慣れると思います。

 下記は、CodeLLMの画像です。

 CodeLLMの主な特徴は以下の通りです。

  • 専用のチャット画面: CodeLLMのソフトの中にもチャット画面があり、AIと会話しながらプログラミングを進められます。
  • プログラミングが得意なAIを選べる: このチャットでは、Claude Sonnet 3.5Deepseek R1Qwen 72BCode LLM(これもAIの名前かもしれません)、ChatGPT O1O1 Miniなど、プログラミングが得意な複数のAI(LLM)を選んで使うことができます。Abacus.AIが独自に開発したAIも含まれています。
  • 色々なプログラミング作業をお手伝い: 新しいコードを作る、プログラミングする、既にあるコードを修正・編集する、コードの意味を説明してもらう、といった様々な作業が可能です。
  • AIエージェントによる開発: AIに指示を出すだけで、AIが自律的に考えてアプリケーション(アプリ)を最初から作ってくれるような、高度な使い方もできるかもしれません(AIエージェント)。
  • コード編集ソフトとの連携機能(IDE統合機能): CodeLLMはVS Codeのような見た目と機能を持ち、コードの入力補助(コード補完)、編集、ファイルの中身の説明などの機能が使えます(このような開発用ソフトをIDE:統合開発環境と呼びます)。AIが作ったコードを、直接ファイルに書き込んだり、修正を適用したりできます。

簡単な使い方(例:ゲーム開発): Agentボタンを押し、 AIにGemini 2.5 proにして以下の事を実施してみました。

  1. CodeLLM環境を開き、専用チャット画面で「HTMLとJavaScriptで簡単なスペースインベーダーゲームのコードを生成して」と指示します。
  2. AIがゲームの基本的なコード(HTMLファイルの内容)を生成します。
  3. 生成されたコード(index.html、scripts.js)を確認し、OKであれば「Accept」ボタンを押し、index.htmlの上で拡張機能の「Live Server」を起動(Open the live server)して動作の確認をします。
  4. ここで正常に動かなけれ、修正のお願いをします。
  5. 次に、「ゲームスタートボタンとリセットトボタンを付けて」とお願いします。
  6. これについても正常に動かなければ、修正のお願します。
  7. 次に、「ゲーム内のインベータの速度を初級、中級、上級と設定するボタンを設け、それによって中級は初級の2倍の速さ、上級は中級の2倍の速さで動くようにして」と指示します。
  8. これについても正常に動かなければ、修正のお害をします。
  9. 正常に動いたら、index.html→例えば、simple invader.htmlなどに名前変更しておいて、変更した名前のhtmlファイルとscripts.jsを一緒のフォルダーに入れておけば、起動する際にはブラウザーでsimple invader.htmlを開けばインベーダーゲームを遊ぶことができます。

6. まとめ

 Abacus.AIは、一つのサービスの中に、文章や画像、動画、音声を作るクリエイティブな機能だけでなく、「Code」や「CodeLLM」といった、プログラミングを強力にサポートする機能も備えています。

  • メイン画面の「Code」ツールは、手軽にコードを作りたい時に便利です。(例:簡単なPython関数の生成)
  • Playground」機能は「実験的な機能やテスト環境」とされていますが、詳細はまだ不明です。(例:新しいAIモデルの試用 - 推測)
  • 専用の「CodeLLM」環境は、パソコンにインストールして使うVS Codeベースのツールで、プログラミングが得意な複数のAIを活用し、コードの入力補助、修正、編集、ファイルの説明、AIエージェントによる開発など、より本格的な開発支援を提供します。(例:ゲームコードの生成と修正)

 これらの機能を使えば、開発者やデータ分析をする人は、コードを書いたり、直したり、間違いを探したり(デバッグ)する作業を、AIの力を借りてずっと効率的に進めることができます。

 しかも、これらの機能がすべて月額10ドルのAbacus.AIの利用料金に含まれているのは驚きです。個別のコード生成ツールや、高価なAIの利用契約(サブスクリプション)を結ばなくても、費用(コスト)を抑えながら、様々なAIによる開発サポートを受けられるのです。特に、「色々なAIサービスを使ってみたいけど、費用がかさむのが悩み…」という方にとって、Abacus.AIはとても魅力的な選択肢になるでしょう。

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