エネファームとエコジョーズ、何が違うの?給湯器選びで迷わないための徹底解説

給油器
この記事は約7分で読めます。

はじめに

 「毎日使うお湯、もっとお得に、環境に優しくなったら嬉しいですよね?」

 家庭で消費されるエネルギーの中でも、給湯が占める割合は意外と大きいものです。そのため、給湯器選びは光熱費や環境への影響を考える上で非常に重要になります。

 近年、省エネ性能の高い給湯器として「エコジョーズ」が普及していますが、さらに進んだシステムとして「エネファーム」も注目されています。しかし、この二つの違いがよく分からない、という方も多いのではないでしょうか。

 この記事では、省エネ給湯器の代表格である「エコジョーズ」と、家庭用燃料電池システム「エネファーム」について、それぞれの仕組み、メリット・デメリット、そして決定的な違いを分かりやすく解説します。

 この記事を読むことで、以下のことが分かります。

  • エコジョーズとエネファームの基本的な仕組み
  • それぞれのメリット・デメリット
  • ご自身のライフスタイルや予算に合った給湯器を選ぶための判断基準

 給湯器選びで後悔しないために、ぜひ最後までお読みください。

そもそも給湯器とは?

 給湯器は、文字通り水をお湯に変えて、キッチンやお風呂、洗面所などに供給する住宅設備です。従来は、ガスや灯油を燃焼させた熱で直接水を温めるタイプが一般的でした。これらの給湯器も技術改良が進んでいますが、エネルギー効率の面ではまだ改善の余地がありました。

「エコジョーズ」ってどんな給湯器?

 エコジョーズは、少ないガス量で効率よくお湯を沸かすことができる高効率ガス給湯器です。

エコジョーズの仕組み

 従来のガス給湯器では、お湯を沸かす際に発生する高温の排気ガス(約200℃)の多くが、そのまま煙突から排出されていました。この捨てられていた排気ガスの熱を二次熱交換器という部品で回収し、水をあらかじめ温めるのに再利用するのがエコジョーズの仕組みです。

 下図は、ノーリツのホームページから引用したものです。

 熱を有効活用することで、ガスの使用量を減らし、効率よくお湯を作ることができるのです。熱効率(投入したエネルギーのうち、有効に取り出せた割合)は、従来型が約80%なのに対し、エコジョーズは約95%にまで向上しています。

エコジョーズのメリット

  • ガス代の節約: 従来型と比較してガス使用量を約10%~15%削減できるため、ガス代がお得になります。
  • 環境に優しい: ガスの使用量が減ることで、CO2排出量も削減でき、環境負荷の低減に貢献します。
  • 比較的コンパクト: 従来型ガス給湯器とサイズがあまり変わらないため、設置スペースの制約が少ない場合が多いです。

エコジョーズのデメリット

  • 初期費用がやや高い: 従来型のガス給湯器と比較すると、本体価格が高めに設定されています。
  • ドレン排水工事が必要な場合がある: 排気ガスから熱を回収する際に結露水(ドレン水)が発生します。このドレン水を排水するための配管工事が別途必要になる場合があります。(設置場所によっては不要なこともあります)

「エネファーム」ってどんなシステム?

 エネファームは、自宅で電気とお湯を同時につくり出す家庭用燃料電池コージェネレーションシステムです。エコジョーズがお湯を作ることに特化しているのに対し、エネファームは「発電」が大きな特徴です。

エネファームの仕組み

 エネファームは、都市ガスやLPガスから「水素」を取り出し、空気中の「酸素」と化学反応させることで電気を発生させます。この化学反応を「燃料電池」と呼びます。

 そして、発電時に発生する熱を回収して、お湯を作るのに利用します。つまり、「自宅で発電しながら、その時に出る熱でお湯も沸かす」という、一石二鳥のシステムなのです。これは「コージェネレーション(熱電併給)」と呼ばれます。

 下図は、東京ガスのホームページから引用したものです。

 発電所から送られてくる電気は送電ロスがありますが、エネファームは自宅で使う場所のすぐそばで発電するため、エネルギーを無駄なく利用できます。

エネファームのメリット

  • 発電できる(最大のメリット): 自宅で電気を作れるため、電力会社から購入する電気量を大幅に削減でき、電気代の節約につながります。
  • お湯も効率的に作れる: 発電時の排熱を利用してお湯を作るため、ガス代の節約も期待できます。
  • 高い省エネ効果・CO2削減効果: エネルギーを非常に効率よく利用するため、環境負荷が大幅に低減されます。
  • 停電時にも電気が使えるタイプがある: 機種によっては、停電時でも発電を継続し、特定の電化製品を使用できるレジリエンス機能が付いています。
  • 補助金の対象になる場合が多い: 国や自治体からの導入補助金制度が利用できる場合があります。

エネファームのデメリット

  • 初期費用が非常に高額: エコジョーズと比較しても、導入にかかる費用はかなり高額になります。
  • 設置スペースが必要: 発電ユニットと貯湯ユニットの二つが必要になるため、エコジョーズよりも広い設置スペースを確保する必要があります。
  • 発電量はライフスタイルに依存: 発電量やそれに伴う経済効果は、家庭の電力使用量やお湯の使用パターンによって変動します。常に最大限のメリットが得られるとは限りません。
  • 定期的なメンテナンス: 性能を維持するために、定期的な点検や部品交換が必要になる場合があります。

【ここがポイント!】エコジョーズとエネファームの決定的な違い

 エコジョーズとエネファームの主な違いを整理しましょう。

項目エコジョーズエネファーム
主な機能 お湯を作る 電気とお湯を作る
仕組み 排熱回収による高効率給湯 燃料電池による発電と排熱利用給湯 (コージェネ)
エネルギー節約 ガス代を節約 電気代とガス代を節約
初期費用 比較的安価(従来型よりは高い) 非常に高額
設置スペース コンパクト 広いスペースが必要 (発電+貯湯ユニット)
環境貢献度 高い さらに高い
補助金 対象外または限定的 対象になることが多い
停電時 お湯は使えない(電気が必要なため) 一部の電気・お湯が使える (対応機種の場合)

一番の違いは「発電機能があるかないか」です。エコジョーズはあくまで「高効率な給湯器」ですが、エネファームは「発電もできる給湯システム」という位置づけになります。

結局、どちらを選ぶべき? 選び方のヒント

 それぞれの特徴を踏まえ、どちらの給湯器がご自身の家庭に適しているか、選び方のヒントをご紹介します。

こんなあなたには「エコジョーズ」がおすすめ

  • 初期費用をできるだけ抑えたい
  • ガス代をとにかく節約したい
  • 給湯器の設置スペースが限られている
  • 発電機能は特に必要ないと考えている

こんなあなたには「エネファーム」がおすすめ

  • 初期費用が高くても、長期的な光熱費(特に電気代)を削減したい
  • 環境問題への貢献に関心が高い
  • 給湯器の設置スペースに余裕がある
  • 停電時の備えとしても活用したい
  • 補助金制度を積極的に活用したい
  • 日中の電気使用量が多い、または家族が多くお湯の使用量も多い

判断のポイント

 最終的にどちらを選ぶかは、以下の点を考慮して総合的に判断しましょう。

  • 予算: 初期費用としてどれくらいかけられるか?
  • 現在の光熱費: 毎月のガス代、電気代はどのくらいか?(削減効果をシミュレーションする上で重要)
  • お湯の使用量: 家族構成やライフスタイルから、お湯を多く使うか?
  • 電気の使用パターン: 日中に在宅していることが多く、電気をよく使うか?
  • 設置場所の状況: 十分な設置スペースや、配管(ドレン排水、ガス、水道など)の状況はどうか?

まとめ

 今回は、エコジョーズとエネファームの違いについて解説しました。

  • エコジョーズは、排熱を再利用して効率よくお湯を作る専門家。ガス代節約と環境貢献が主なメリットです。
  • エネファームは、ガスから電気とお湯を同時につくり出す多機能システム。電気代の大幅削減と高い環境性能が魅力ですが、初期費用と設置スペースが課題です。

 給湯器選びは、単に製品の性能だけでなく、ご自身のライフスタイル、予算、そして何を最も重視するか(初期費用 or ランニングコスト or 環境性 or レジリエンス)によって最適な選択が変わってきます。

 この記事が、あなたの給湯器選びの一助となれば幸いです。もし迷った場合は、専門の業者に相談し、ご自身の状況に合ったシミュレーションをしてもらうことをお勧めします。

 以上です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました