WSL2(Windows11)にKubuntuをインストール、KDEプラズマデスクトップを日本語表示、日本語入力までを解説

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はじめに

 この記事ではWSL2(Windows11)にKubuntuをインストールし、KDEプラズマデスクトップを日本語表示、日本語入力できるようにする方法を解説します。
 この記事の対象読者は、WSL2やKubuntuに興味があるが、まだ試したことがない初心者の方です。この記事を読むにあたって、以下の環境や前提知識が必要です。

  • Windows11がインストールされたPCがあること
  • Windows11の基本的な操作ができること
  • コマンドプロンプトやPowerShellの基本的な使い方がわかること
  • Linuxの基本的なコマンドがわかること

 それでは、WSL2でKubuntuをインストールし、KDEプラズマデスクトップを日本語表示、日本語入力できるようにする方法を見ていきましょう。
 この記事を読むと次の疑問について知ることができます。

 OS、機種などで説明の仕方が変わってくることがありますので、私の使用しているパソコン環境について載せておきます。
パソコンOS : Windows11 Pro
Windowsバージョン : 22H2
WSLのバージョン : 1.2.5.0
Ubuntuのバージョン : Ubuntu-20.04.6

Kubuntuとは?

 KubuntuとはUbuntuの派生版で、KDEプラズマデスクトップという美しいデスクトップ環境を備えたLinuxのディストリビューションです。
 KDEプラズマデスクトップはカスタマイズ性が高く、様々なアプリケーションやウィジェットを使って自分好みのデスクトップを作ることができます。
 WSL2でKubuntuを使うと、Windows11とLinuxの両方のメリットを享受できるだけでなく、KDEプラズマデスクトップの魅力も味わえるようになります。
 KubuntuとUbuntuの主要な違いを表にまとめてみました。

比較のパラメータ Kubuntu Ubuntu
開発者 ブルーシステムズ社とコミュニティ カノニカル社とコミュニティ
デスクトップ環境 KDE Plasma GNOME
ツールキット Qt GTK+
ウェブブラウザ Firefox
オフィススイート LibreOffice
電子メール & PIM Thunderbird
必要環境 プロセッサ:2 GHzデュアルコア
メモリ:2 GB
ディスクスペース:25 GB
グラフィックスカード:1024×768の解像度が利用可能なもの

WSL2のインストール方法

 先ずはWSL2をインストールする方法を説明します。WSL2をインストールするには、以下のステップを実行します。

  1. コマンドプロンプトPowerShellを管理者権限で開きます。その際に、「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」と聞かれますので「はい」をクリックすると、PowerShellのターミナル起動します。
  2. 次のコマンドをターミナルに打ち込みWSLのアップデートをします。この時も、「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」と聞かれますので「はい」をクリックすると、WSLのアップデートが始まり、終わると「Linux 用 Windows サブシステム はインストールされました。」と表示されます。
    wsl --update
    
  3. インストールするLinuxのデストリビューションがどのようなものがあるかを見るために、次のコマンドを打ち込み実行します。
    wsl -l -o
    
  4. 次に表示される、Linuxデストリビューションの中から「Ubuntu-20.04」をインストールするために、次のコマンド入力して実行します。しばらく時間がかかります。(私のパソコンで3~4分程度)
    wsl --install -d Ubuntu-20.04
    

Kubuntuのデスクトップ環境のインストール

 このKubuntuのインストールについては、GitHubGistにある「camullen/installation.md」を参考にさせていただきました。

  1. 上述のコマンド(4.)が終了すると、自動的にUbuntuターミナル起動し、「Enter new UNIX username:」と聞いてくるので、ユーザー名を英語の小文字で記入、「New password:」と聞いてくるので、パスワードを記入(記入しても何も入力されていないように見えますが実際は入力されています。)して実行、さらに「Retype new password:」と聞いてくるので、間違いないようにパスワードを記入して実行
  2. Ubuntu20.04のアップデートとアップグレードをするために、次のコマンドを記入して実行。ここで、最新版のUbuntuをインストールしないのは、最新版のUbunntuからKubuntuのデスクトップ環境をインストールする際にエラーが出てうまくKubuntuのデスクトップ環境がインストールできないからです。
    sudo apt update && sudo apt upgrade -y
    
  1. Kubuntuのデスクトップ環境をインストールするために、次のコマンドを記入して実行。これにはかなり時間がかかりますので気長に待ちましょう。(私のパソコンで約30分程度)
    sudo apt install kubuntu-desktop -y
    
  2. 途中で「 Configuring encfs」と言うウインドウが表示されますが、そのままリターンを押して進めます。
  3. Progress:67%」で止まったようになりますが、気長に待ちましょう。
  4. Kubuntuデスクトップをインストールし終えたら、X ディスプレイマネージャの「LightDM」をインストールするために、次のコマンドを打ち込み実行します。
    sudo apt install lightdm -yと
  5. 途中「Configuring lightdm」の画面が出たら、カーソルで「lightdm」を選択して実行。
  6. nanoエディターを利用して次のコマンドを打ち込み実行すると、「lightdm.conf」が立ち上がります。
    sudo nano /etc/lightdm/lightdm.conf
    
  7. 「lightdm.conf」ファイル内に次の文を入力(下の文をコピーして貼り付けてください。)して、保存(Ctrl +x、yを入力してリターン)します。
    [Seat:*]
    user-session=plasma
    
    [LightDM]
    start-default-seat=false
    
    [XDMCPServer]
    enabled=true
    port=177

VcXsrv Windows X Serberのインストールと設定

VcXsrv Windows X Serberのインストール

 次の手順でインストールしてください・

  1.  先ず、VcXsrv Windows X Serberのページに飛び、「download」をクリックすると、パソコンに「vcxsrv-64.1.20.14.0.installer.exe」と言うファイルがダウンロードされます。
  2. vcxsrv-64.1.20.14.0.installer.exe」を起動すると、「VcXsrv Setup: Installation Options」画面が表示されますので、デフォルトのままで「Next >」をクリック
  3. インストールするホルダー画面になりますので、これもデフォルトのままでよいので、「Install」をクリック
  4. インストールが終了して、「Completed」と表示されたら、「Close」をクリックすると、パソコンのデスクトップにXlaunchのアイコン作成されています。

VcXsrv Windows X Serberの設定

 設定は、次の手順で進めてください。

  1. Xlaunchのアイコンをダブルくちっくして起動すると、「Display settings」の画面になりますので「One windows without titlebar」にチェックを入れ、「次へ(N)>」をクリック
  2. 「Client startup」画面になりますので、「Open session via XDMCP」にチェックを入れ、「次へ(N)>」をクリック
  3. 、次のコマンドを打ち込んで、赤い「inet」と書かれた文字の横にある「〇.▼.×.□」のIPアドレスコピーして記録しておきます。(例えば、172.xxx.xxx.xxx)xxxには数字が入ります。
    sudo apt install net-tools
    ifconfig eth0 | grep inet
    
  4. 「XDMCP settings」画面になりますので、「Connect to host」の横に上述で求めたIPアドレスをペースト「次へ(N)>」をクリック。
  5. 「Extra settings」画面になりますので、「Native opengl」のチェックを外し、「Disable access control」にチェック入れ、「次へ(N)>」をクリック
  6. 「Finish configuration」の画面になりますので、「Save configurationクリックして設定を保存した後に「完了」をクリック。ここで、そのまま保存すると「config.xlaunch」と言う名前で保存され、これをクリックすることによりX-ウインドウ起動します。
  7. 最後に「パブリックネットワークとプライベートネットワークにこのアプリへのアクセスを許可しますか?」と聞かれるので「許可」をクリック
  8. ここで設定して記録した「config.xlaunch」をクリックしてX-windowを立ち上げておいて、Ubuntuのターミナルから「startplasma-x11」と打ち込んで起動すると、KubuntuのデスクトップであるKDEプラズマデスクトップが立ち上がります。

KDEプラズマデスクトップの日本語表示

 表示されたKubuntuのKDEプラズマのデスクトップのメニューなどは英語表記になっています。
 これらのメニューなどを日本語表記にするために、次のような手順を踏んでください。

  1. Ubuntuのターミナルを開き、次のコマンド記入して日本語の言語パックをインストールします。
    sudo apt install -y language-pack-ja
    
  2. ロケールを日本語設定にするために、次のコマンドを記入して実行します。
    sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF8
    
  3. Ubuntuターミナルを「exit」を記入して閉じます。
  4. 前に設定して保存した「config.xlaunch」をダブルクリックして、XcXsrv Server起動します。
  5. Ubuntuターミナルを再起動して、次のコマンド記入て実行することによりKubuntu起動
    startplasma-x11
    
  6. 一瞬暗くなり、しばらくするとKDEプラズマデスクトップ起動します。
  7. 右の「Application Launcher」⇒「System Setting」⇒左のメニューの「Input Device」⇒「Keyboard」⇒「Lyouts」を順にクリックし、「+Add」をクリックして、「Japanese」を加えて「Apply」をクリックして適用します。
  8. 次に「Personalization」から「Regional Settings」⇒「Languge」と順にクリックし、右下の「Add languages」をクリックして「日本語」を選択して「Add」をクリックし、「Apply」をクリックして、上に移動しておきます。
  9. Regional Settings」⇒「Date & Time」⇒「Time Zone」と順にクリックし、「Asia/Japan」を選択して、「Apply」をクリックして適用します。
  10. KDEプラズマデスクトップ」を終了して、再起動します。もし、どうしてもエラーが出て起動しない場合は、パソコン再起動して、「config.xlaunch」をダブルクリックして、XcXsrv Server起動し、「Ubuntuターミナル」からKdeプラズマ起動してみてください。メニューなどが日本語表記されていることが分かります。

KDEプラズマデスクトップ内のアプリの日本語入力

 KDEプラズマデスクトップ内のアプリの日本語入力ができるようにするために次の手順を実行してください。

  1.  日本語入力を入力するために、「Fictx」と「Mozc」をインストールするために次のコマンドをUbuntuターミナルに入力して実行します。
    sudo apt install -y fcitx-bin fcitx-mozc dbus-x11
    
  2. フォントの設定を変更するために、次のコマンドを1行づつ実行してください。
    cat << EOS | sudo tee /etc/fonts/local.conf
    <?xml version="1.0"?>
    <!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd">
    <fontconfig><dir>/mnt/c/Windows/Fonts</dir></fontconfig>
    EOS
    
  3. 環境変数を設定するために、次のコマンドを1行づつ実行してください。
    cat << EOS >> ~/.profile
    export GTK_IM_MODULE=fcitx
    export QT_IM_MODULE=fcitx
    export XMODIFIERS=@im=fcitx
    export DefaultIMModule=fcitx
    fcitx-autostart &> /dev/null
    EOS
    
  4. Ubuntuターミナル閉じて、再起動し、Kdeデスクトップ起動します。
  5. パネルの右にある「キーボードマーク」を右クリックし表示されるメニューの「Configure Current Input Method」⇒「入力メソッド」から「Mozc」を既定の入力メソッド変更
  6. 次に「全体設定」の「Trigger Input Method」を「Ctrl+Space」に設定(デフォルトで設定済み)
  7. 後は、好みで「Mozcツール」⇒「設定ツール」から自分好みの設定をしてください。
    下記の図は壁紙を風景画に変更し、パネルを下に持っていき、デスクトップにDolphinのファイラー、時計のウジェット、計算機、LibreOffice Writerなどは適当に配置したもののスクリーンショットです。

おわりに

 この記事では、WSL2でKubuntuをインストールし、KDEプラズマデスクトップを日本語表示と日本語入力に対応させる方法を紹介しました。
 WSL2は、Windows 11でLinuxのディストリビューションを簡単にインストールできる機能です。
 KDEプラズマデスクトップは、Linuxで人気の高いデスクトップ環境の一つで、日本語表示と日本語入力に対応させるには、いくつかのパッケージや設定を行う必要があります。
 その手順を詳しく説明しました。これで、WSL2でKubuntuのKDEプラズマデスクトップをある程度快適に使えるようになったと思います。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上です。

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