はじめに
Windows 11のリリースに伴い、多くのユーザーが新しいオペレーティングシステム(OS)を試しています。
Windows 11は、幅広い機能と改善されたユーザーエクスペリエンス(UX)を提供しており、特に家庭用LANの構築において優れたパフォーマンスを発揮します。
この記事では、Windows 11を使用して家庭用LANを構築する方法とその利点について説明します。
Windows 11での家庭用LANの構築の重要性
家庭用LANの構築は、複数のデバイスをネットワークに接続し、データやプリンターを共有するために重要で、Windows 11を使用して家庭用LANを構築することで、以下の利点を享受することができます。
1. 高速なデータ転送
家庭用LANを使用すると、デバイス間で高速なデータ転送が可能になります。これは、大容量のファイルの共有やストリーミングなどのタスクをスムーズに実行するために重要です。Windows 11は、高速な通信プロトコルと最新のネットワーク技術をサポートしており、高速かつ安定したLAN接続を提供します。
2. セキュリティの強化
家庭用LANを構築することで、ネットワーク内のデバイスのセキュリティを強化することができます。Windows 11は、高度なセキュリティ機能を備えており、ネットワーク内のデータや通信を保護するための機能を提供します。さらに、最新のWindowsアップデートやセキュリティパッチを適用することで、ネットワークの脆弱性を最小限に抑えることができます。
3. リモートアクセスの便利さ
家庭用LANを構築することで、外出先から家庭内のデバイスにリモートアクセスすることができます。これにより、外出先からファイルへのアクセスや家庭内のデバイスの制御などを行うことができます。Windows 11は、リモートデスクトップ接続などの機能を提供しており、安全かつ便利なリモートアクセスを実現します。
Windows 11で家庭用LANを構築する利点
Windows 11を使用して家庭用LANを構築すると、以下の利点があります。
1. 簡単なセットアップ
Windows 11は、家庭用LANのセットアップを容易にする直感的なインターフェイスを提供しています。お使いのWindows 11デバイスをネットワークに接続し、ネットワーク設定を行うだけで、簡単に家庭用LANを構築することができます。
2. ユニバーサルな互換性
Windows 11は、さまざまなデバイスやプラットフォームとの互換性があります。これにより、Windows 11デバイスと他のデバイスを容易に接続することができます。また、Windows 11は、ユニバーサルアプリケーションプラットフォームをサポートしており、さまざまなアプリケーションをネットワーク上で共有することができます。
3. カスタマイズ可能なセキュリティ設定
Windows 11では、マイクロソフトの高度なセキュリティ機能を利用して、家庭用LANのセキュリティをカスタマイズすることができます。Windows 11のセキュリティセンターやファイアウォールなどのツールを使用して、ネットワーク内のデバイスやデータのセキュリティを最適化することができます。
Windows 11を使用して家庭用LANを構築することで、高速なデータ転送、セキュリティ強化、リモートアクセスの便利さなどの利点を享受することができます。
これにより、家庭内のデバイスやコンテンツをより効率的に管理し、快適なデジタルライフを送ることができます。
家庭用LANの構築方法
Windows 11では、家庭内でのネットワーク構築がさらに簡単になりました。LANケーブルを使用した有線接続や無線LANを活用した接続方法など、さまざまな方法があります。
以下では、Windows 11で家庭用LANを構築する方法を解説します。
LANケーブルを使用したネットワークの構築方法
家庭用LANを構築する最もシンプルな方法の一つは、LANケーブルを使用した有線接続です。LANケーブルは、各パソコンをルーターやハブに接続することで、容易にネットワークを構築することができます。以下にLANケーブルを使用したネットワーク構築の手順を示します。
- ルーターやハブを用意します。これは、いくつかのパソコンを接続するための中継装置として機能します。
- 各パソコンにLANケーブルを接続します。一端をパソコンのネットワークポートに差し込み、もう一端をルーターやハブに接続します。
- パソコンの設定画面に移動し、ネットワーク接続の設定を行います。Windows 11では、設定画面から「ネットワークとインターネット」にアクセスします。
- 「ネットワーク プロファイルの種類」で「プライベートネットワーク」を選択します。これにより、接続されたパソコン同士が互いに認識できるようになります。
- 必要に応じて、共有フォルダーの設定やアクセス権限の設定を行います。
無線LANを使用したネットワークの構築方法
LANケーブルを使わずに柔軟にネットワークを構築できるのが無線LANです。無線LANルーターを使用して、複数のパソコンを接続し、インターネットにアクセスすることができます。以下に無線LANを使用したネットワーク構築の手順を示します。
- 無線LANルーターを用意します。インターネットサービスプロバイダから提供される場合もあります。
- 各パソコンのネットワーク設定画面に移動し、無線LANへの接続を設定します。Windows 11では、「ネットワークとインターネット」の設定画面を使用します。
- 使用するWi-Fiネットワークに接続します。パスワードが設定されている場合は、正しいパスワードを入力します。
- ルーターの設定画面に移動し、接続される各パソコンに固有のIPアドレスを設定します。これにより、各パソコンが独立してインターネットにアクセスできるようになります。
- 必要に応じて、共有フォルダーやプリンターの設定を行います。
家庭用LANの構築方法は以上となります。どちらの方法でも、簡単な手順でネットワークを構築することができます。
実際に家庭内LANを行う組み合わせ
ここでは、次のような無線LANルーター、パソコン3台、NASを家庭用LANで繋いでみたいと思います。
- 無線LANルーター:NEC Aterm WG2600HS
- パソコン1台目:Windows11Pro搭載のHPデスクトップパソコン
- パソコン2台目:Windows11Pro搭載のミニPCパソコン
- パソコン3台目:Windows11Home搭載のデル製デスクトップパソコン
- NAS:Baffalo製 LS210D1A3
パソコンの設定
Windows 11でのコンピューター名とワークグループ名の設定方法
Windows 11でファイル共有をするためには、コンピューター名とワークグループ名の設定が必要です。以下では、Windows 11での設定方法を解説します。
なお、家庭内LANを組むパソコン全てについて下記の設定を行ってください。
この際に組み込むパソコンのコンピューター名はそれぞれパソコン固有なもの(自由に設定可能)、ワークグループ名は同じ名前にしてください。
- Winのスタートメニューを開き、ピン留め済みのアイコンから「設定」をクリックして、設定を開きます。
- 設定画面で、左側のメニューから「システム」を選択し、下にスクロールし「バージョン情報」をクリックます。
- 「バージョン情報」内の「関連リンク」の右横にある「ドメインまたはワークグループ」の項目をクリックします。
- 「システムプロパティ」の「コンピュータ名」タブ内にある「変更」ボタンをクリックします。
- 「コンピューターの名前」の欄に、任意のコンピューター名を入力、「ワークグループ」の欄に任意のワークグループ名を入力し「コンピュータ名/ドメイン名変更」ウインドウの「OK」をクリック、さらに、「システムプロパティ」ウインドウの「適用」をクリックます。
このワークグループ名は家庭内LANを組む他のパソコンにも同じワークグループ名を設定するために記録しておきましょう。
- 変更を反映するためには、パソコンを再起動してください。
これで、Windows 11でのコンピューター名とワークグループ名の設定が完了しました。次に、ネットワークプロファイルの設定方法を見ていきましょう。
Windows 11でのネットワークプロファイルの設定方法
Windows 11では、ネットワークプロファイルの設定を通じてファイル共有の管理を行います。以下の手順で設定を行ってください。
なお、家庭内LANを組むパソコン全てについて下記の設定を行ってください。
- Winのスタートメニューを開き、ピン留め済みのアイコンから「設定」をクリックして、設定を開きます。
- 設定画面で、左側のメニューから「ネットワークとインターネット」を選択クリックし、そのネットワークの「プロパティ」をクリックます。
- 「ネットワークプロファイルの種類」を「プライベイトネットワーク」にチェックを入れます。
- 左側のメニューから「ネットワークとインターネット」⇒「ネットワーク詳細設定」と順にクリック。
- 「ネットワーク詳細設定」の「その他の設定」の「共有の詳細設定」をクリックにします。
- 「プライベイトネットワーク」の設定で「ネットワーク探索」をオンに設定、「ネットワークに接続されたデバイスを自動的に設定する」にチェックを入れ、「ファイルとプリンターの共有」をオンに設定。
- 「パブリックネットワーク」の設定で「ネットワークの探索」をオフにし、「ファイルとプリンターの共有」をオンに設定します。
- 「すべてのネットワーク」の設定で「パブリックフォルダーの共有」をオンにし、「ファイル共有の接続」を「128ビット暗号化(推薦)」を選択、「パスワード保護共有」をオフに設定します。
「パスワード保護共有」をオンに設定すると、他のパソコンに入る際にパスワードを求められるので、安全を期す場合は、オンにした方が良いでしょう。
ここでは、家庭内でできる限り面倒を省くために、オフに設定しました。
- 変更を反映するためには、パソコンを再起動してください。
これで、Windows 11でのネットワークプロファイルの設定が完了しました。ファイル共有を行う際は、この設定を行ってから共有設定を行ってください。
以上が、Windows 11で家庭用LANの構築のためのパソコンの設定方法です。設定が完了したら、他のパソコンとフォルダーを共有して、スムーズにファイルのやり取りができるようにしましょう。
NASのネットワーク名やIPアドレスの設定
Buffalo製 LS210D0301Gの初期設定については、次の記事を参照してください。
上述の初期設定でインストールした「BUFALLO NAS Navigator2」を起動して、「LS210D1A3」をクリックして下に表示されるワークグループ名、IPアドレスを表示させてください。
次の条件に当てはまらない場合は、ワークグループ名やIPアドレスの設定をしてください。
- ワークグループ名が家庭内LANで組み込んだパソコンで設定したワークグループ名と同じでなければ、ワークグループ名を同じ名前に変更し直す。
変更手順は次の通り。(画像は省略しますが、次の手順通りにすれば、容易に設定は可能です。)- 「NAS Navigator2」を起動
- LS201D1A3」を右クリックして表示されるメニューで「Web設定画面を開く」をクリック
- 表示されるパスワード記入欄に、前にNASを設定した際に設定したパスワードを記入して「OK」をクリック
- 「詳細設定」をクリック
- 右のメニューの「ネットワーク」をクリック
- 「ワークグループ/ドメイン」の「右の設定変更マーク」をクリック
- 「ワークグループ情報」ウインドウの「編集」をクリック
- 「ワークグループ/ドメイン設定」ウインドウで「ワークグループ」にチェックを入れ、「次へ」をクリック
- 「ワークグループドメイン設定してもよろしいですか?」と聞かれるので、「はい」をクリック
- 表示される「ワークグループ名」の欄に家庭内LANで設定したパソコンのワークグループ名と同じ名前を記入して「OK」をクリック
- 以上で、ワークグループ名の設定は終了です。
- IPアドレス「●●●.▲▲▲.○○.×××」の「●●●.▲▲▲.○○」がパソコンなどに設定したIPアドレスの最後の数値のみ異なり、前の3つの数値が同じであるかどうかを見て、同じでない場合は、同じIPアドレスに設定し直す。(通常は、IPアドレスがパソコンなどのIPアドレスの前の3つの数値が合致しているので、この操作は必要ありません。)
変更手順は次の通り。- 「NAS Navigator2」を起動
- LS201D1A3」を右クリックして表示されるメニューで「Web設定画面を開く」をクリック
- 表示されるパスワード記入欄に、前にNASを設定した際に設定したパスワードを記入して「OK」をクリック
- 「詳細設定」をクリック
- 右のメニューの「ネットワーク」をクリック
- 「IPアドレス」の「右の設定変更マーク」をクリック
- 「IPアドレス一覧」ウインドウの「LANポート1」をクリック
- 「IPアドレスL:ANポート1」ウインドウで「DHPC」を「無効にする」にチェックを入れ、「IPアドレス」最初の3つの数字をパソコンなどのネットワークのIPアドレスの最初の3つの数字に合わせて設定します。
- 以上で、IPアドレスの設定は終了です。
Windows 11での共有設定
前述の方法で各パソコンの家庭内LANの設定をしていれば、各パソコンの「Users」ホルダー以下のホルダーやファイルなどが共有設定さます。
Windows 11での共有フォルダーへのアクセス方法
Windows 11で共有されているフォルダーにアクセスするには、以下の手順を実行します。
- ファイルエクスプローラーでネットワークを表示させると、家庭医内LANで繋いだパソコンとNASを見ることができます。
- アクセスしたいパソコン、NASをクリックすることにより、それぞれにアクセスが可能となります。
- パソコンをクリックすると、そのパソコンの「Users」ホルダー以下のホルダーやファイルにアクセスが可能となります。
- NASをクリックすると、NASで設定したフォルダー全てにアクセスが可能となります。
家庭や小規模オフィスのネットワーク構築において、LANケーブルや無線LANを利用してWindows 11でのファイル共有を行うことは非常に便利です。
セキュリティ面を考慮し、パスワードを設定したり、Windowsサーバーを導入することでさらに安全な環境を構築することも可能です。
注意事項とトラブルシューティング
Windows 11では、家庭用LANの構築が簡単に行えます。しかし、しばしば制限やトラブルが発生することもあります。本節では、注意事項とトラブルシューティングの方法を紹介します。
セキュリティ対策ソフトやファイアウォールの設定による制限
家庭用LANを構築する際に、セキュリティ対策ソフトやファイアウォールの設定によって制限がかかる場合があります。これは、ネットワーク機能やファイアウォールが無効になっていることが原因です。
以下の手順を参考にして、セキュリティ対策ソフトやファイアウォールの設定を確認してください:
- [WINスタート]⇒「設定」⇒「プライバシーとセキュリティ―」を順にクリックして、[Windowsセキュリティ]を選択します。
- [ファイアウォールとネットワーク保護]をクリックします。
- ファイアウォールの機能を有効にするには、各ネットワーク(ドメインネットワーク、プライベイトネットワーク、パブリックネットワーク)のファイアーフォールが有効になっていないネットワークをクリックし、Microsoft DefenderのファイアーフォールをONにします。
自分のパソコンなどがエクスプローラーのネットワークを開いても見れない場合
LAN構築後、コンピュータが見れないでアクセスできないお場合があります。
以下の方法を試して、他のコンピューターからのアクセスが可能かどうか確認してください:
- WiFiでネットワークを繋いでいる場合、同じWiFiネットワークにつながっているかどうかを確認
WiFiネットワークには、2.4GHzと5Ghzタイプがあり、どちらで繋いでいるかを調べ、同じWiFiネットワークに繋いでください。 - 全てのパソコンでWindows 11のネットワークプロファイルが「プライベイトネットワーク」にチェックが入っているかを確認
- 全てのパソコンで「パブリックネットネットワーク」の「ネットワーク検索」がオフになっていることを確認
- 全てのパソコンで「ワークグループ名」が同じになっているかを確認
- 「コントロールパネル」⇒「プログラム」⇒「Windows機能の有効化または無効化」をクリックして表示される中の「SMB 1.0/ CIFSファイル共有のサポート」にチェックを入れる。
これらの手順を実行しても問題が解決しない場合は、プロバイダーや技術サポートに連絡して、さらなる支援を受けることをお勧めします。
以上がWindows 11での家庭用LAN構築の注意事項とトラブルシューティングの方法です。LANの構築には様々な要素が関与するため、問題解決には時間と忍耐が必要です。ただし、適切な設定とトラブルシューティングの手法を用いれば、円滑なネットワーク接続を実現することができます。
おわりに
以上が、Windows 11を使用して家庭用LANを構築するための基本的な手順でした。まず、ネットワーク機器のセットアップから始め、LANケーブルを接続し、必要な設定を行いました。次に、Windows 11のネットワーク設定を確認し、共有フォルダやプリンターの共有を設定しました。最後に、デバイスの間でファイルやデータを共有する方法についても解説しました。
家庭用LANの構築には、いくつかの重要な要素があります。まず、ネットワーク機器を適切にセットアップし、モデムやルーターを正しく接続することが必要です。また、LANケーブルを使用してデバイスを接続し、適切なIPアドレスを設定することも重要です。
Windows 11では、ネットワーク設定を簡単に行うことができます。ネットワークとインターネットの設定ページで、IPアドレスやDNS設定を確認および変更することができます。また、共有フォルダやプリンターの共有も簡単に設定することができます。
家庭用LANの構築においては、セキュリティにも十分注意することが重要です。パスワードの設定やファイアウォールの有効化など、適切なセキュリティ設定を行うことで、不正アクセスやデータ漏洩などのリスクを軽減することができます。
最後に、ファイルやデータの共有方法についても解説しました。Windows 11では、共有フォルダやネットワークドライブを作成し、デバイス間でファイルの送受信や共有が可能です。また、クラウドストレージサービスを利用することも一つの選択肢です。
これらの手順やポイントを抑えることで、Windows 11を使用して家庭用LANを構築することができます。スムーズかつ安全なネットワーク環境を整えるために、是非参考にしてみてください。
以上です。
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