はじめに
皆さんは、UserLAndを知っていますか?
UserLAndは、Android 端末で Linux を実行できるオープンソースアプリで、デバイスをルート化することなく、Ubuntu、Debian、Manjaro などの Linux ディストリビューションをインストールして実行できます。
この記事では、UserLAndでAndroid 端末にLinux のUbuntuをインストールして日本語化まで行う方法を紹介します。
この記事を読むと次の疑問について知ることができます。
OS、機種などで説明の仕方が変わってくることがありますので、私の使用しているパソコン環境について載せておきます。
パソコンOS : Windows11 Pro
Windowsバージョン : 22H2
UserLAndのバージョン : 20.09.13
bVNC:Secure VNC Viewerのバージョン : 5.1.3
UserLAndとは?
UserLAndは、Android端末にLinuxをインストールできるアプリです。UserLAndは、以下のような特徴や機能があります。
- ルート権限やカスタムROMなどを必要とせずに、AndroidのストレージにLinuxのファイルシステムを作成できます。
- 複数のLinuxディストリビューションやアプリケーションを選択できます。例えば、UbuntuやDebian、Alpineなどのディストリビューションや、OpenSSHやVNCなどのアプリケーションがあります。
- Linuxのデスクトップ環境を表示するために、bVNCというアプリを使ってVNC接続できます。bVNCは、高速で安定したVNCクライアントで、マルチタッチやキーボードなどの機能をサポートしています。
UserLAndアプリは、Google Playからダウンロードしてインストールができます。
bVNC:Secure VNC Viewerとは?
bVNC: Secure VNC Viewerは、Android端末にLinuxをインストールできるアプリであるUserLAndと連携して、Linuxのデスクトップ環境を表示するためのアプリで、VNC(Virtual Network Computing)の略で、ネットワーク上のコンピュータを遠隔操作するための技術です。
bVNC: Secure VNC Viewerは、高速で安定したVNCクライアントで、マルチタッチやキーボードなどの機能をサポートしており、また、暗号化や認証などのセキュリティ機能も備えています。
bVNC: Secure VNC Viewerは、Iordan Iordanov (Undatech)という開発者が作成したアプリで、無料版と有料版があります。
bVNC: Secure VNC Viewerを使うには、UserLAndでLinuxのファイルシステムを作成し、VNCサーバーを起動する必要があり、その後、bVNC: Secure VNC Viewerでサーバーのアドレスとパスワードを入力して接続することで、Linuxのデスクトップ環境を操作することができるようになります。
bVNC: Secure VNC Viewerアプリは、Google Playからダウンロードしてインストールができます。
Ubuntuとは、Linuxカーネルをベースとしたオープンソースのオペレーティングシステムで、デスクトップPCやクラウド、インターネットに接続されたあらゆる機器まで、すべての環境において動作可能で、2004年にDebian GNU/Linuxから派生したOSです。
Ubuntuは、デスクトップ、サーバー、クラウド、IoTなどの様々な環境に対応しており、使いやすさやセキュリティに優れており、 世界中の多くのユーザーや開発者によって支えられながら、定期的に新しいバージョンがリリースされています。
現在では世界中で2000万人を超えるユーザーが日常的に利用しており、数千ものアプリケーションを動かすことができます。Ubuntuには、以下のような特徴があります。
- 無料
誰でも自由にダウンロードしてインストールすることができます。また、Ubuntuに含まれるソフトウェアも、ほとんどが無料で利用できます。 - 安全
ウイルスやマルウェアに対して高い防御力を持っています。また、定期的にセキュリティアップデートが提供されます。 - 使いやすい
直感的でシンプルなデスクトップ環境を提供します。また、多言語に対応しており、日本語もサポートされています。 - カスタマイズ
ユーザーの好みに合わせて様々な設定や変更ができます。また、Ubuntuには、さまざまなバリエーションがあります。例えば、Ubuntu MATEは、古いパソコンでも快適に動作するように設計されたバージョンです。 - コミュニティ
世界中のユーザーや開発者が協力して作り上げているOSです。Ubuntuには、日本におけるローカルコミュニティチームであるUbuntu Japanese Teamがあり、日本語環境の改善やサポートなどを行っています。
UserLAndによるUbuntuのインストール
Ubuntuは、前に購入したAndroidタブレットDOOGEE T30 Pro(Android 13搭載)にインストールしたいと思います。
UserLAndによるUbuntuのインストール手順は次の通り。
- 「UserLAnd」、「bVNC:Secure VNC Viewer」をGoogle Playよりダウンロードして「DOOGEE T30 Pro」タブレットにインストールします。
- 「UserLAnd」の画面の「Distribution」から「Ubuntu」をタップすると、「UserLAnd requires Permissions!」と言うウインドウが表示されますので、「OK!」をタップ。
- 「UserLAnd」アプリを起動すると、「通知の送信をUserLAndに許可しますか?」と聞かれるので、「許可」をタップ。
- 「Please select a desktop environment:」と聞かれるので、「Minimal」(デフォルトで選択されている)を選択後、「CONTINUE」をタップ。(Pro)がついているものを選択すると有料となります。
- 「Please select a connection type:」と表示されたら、「Terminal」(デフォルトで選択されている)にチェックを入れ、「CNTINUE」をタップ。
- Ubuntuのインストールにしばらくかかりますので気長に待ちましょう。インストールが終わり、Terminal画面になり「Welcome to Ubuntu in UserLAnd!」されたら、次の文を記入して実行します。
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
ここでも、アップデートとアップグレードが終了するまでにかなり時間がかかりますので気長に待ちましょう。
コマンド入力画面になったら、インストールしたUbuntuのバージョンを確認するのであれば、次の文を記入して実行します。cat /etc/os-release
Ubuntuのバージョンは、「Ubuntu 22.04.3 LTS」であることが判明。
- xfceデスクトップ環境をインストールするために、次の文を記入して実行します。
sudo apt install xfce4 -y
インストールが終了するまでにかなりの時間がかかりますので気長に待ちましょう。
途中で次の2点について聞かれますが、次のように入力。
- 「Country of origin for the keyboad:」と表示されたら、「55」を入力して実行ボタンをタップ。
なお、55は「Japanese」です。 - 「Keyboard layout:」と表示されたら、「1」を入力して実行ボタンをタップ。
なお、1は「Japanese」です。
xfceデスクトップ環境の表示
上述で、Xfceデスクトップ環境をインストールしたら、次はAndroidタブレットの画面上にデスクトップ環境を表示してみましょう。
- 先ず、前のxfceデスクトップ環境がインストール出来たら、Terminal画面に「exit」と打ち込み、Terminal を終了します。
- UserLAndの画面に戻りますので、「Ubuntu」を長押しすると、メニューに出る「Stop App」をタップ。
- UserLAndの画面に戻りますので、「Ubuntu」を長押しすると、メニューに出る「APP Info」をタップ。
- 表示されるUserLAndの画面で「Graphical」にチェックを入れ、下のメニューの「Apps」をタップ。
- UseLAndの初期画面に戻りますので、「Ubuntu」をタップ、「Please select a connection type:」と表示されたら、「Graphical」にチェックを入れ、「CONTINUE」をタップ。
- 「Graphical Settings」の画面になるので、「Selection Orientation」などの設定はデフォルトのままとし、右下の「CONTINUE」をタップ。
- デスクトップ画面の表示に少し時間がかかりますが、ネズミのマークが入ったxfceデスクトップ画面が表示されます。しかし、この画面は長続きしなく、しばらくすると切れてしまいます。この理由は分かりません。
日本語化と日本語入力の導入
日本語化と日本語入力の導入には、次のビデオを参考にさせていただきました。
UseLAndのTerminalモードで、次のコマンドを一行づつ実行していきます。
sudo apt -y install locales
sudo apt -y install vim
vim /etc/locale.gen
ja_JP.UTF-8のコメントアウト(#)を外す
sudo locale-gen
sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
sudo dpkg-reconfigure tzdata
6 アジア #6を選択
79 東京 #79を選択
sudo apt -y install task-japanese fonts-vlgothic
Fcitx-Mozc をインストール #この行は実行しない
sudo apt -y install fcitx-mozc
すべて、インストールし終えたら、UserLAndのTerminalを「exit」で抜け、次に「VNC」で「Graphical」にして接続して繋ぎます。
すると、xfceデスクトップ画面が起動し、メニューの文字などが日本語になり、日本語の入力が行えるようになります。
おわりに
この記事では、Android端末にUbuntu(Ubuntu 22.04.3 LTS)をインストールする手順と、その日本語化方法について詳細に解説しました。
UserLAndというアプリを利用することで、ルート権限やカスタムROMなどを必要とせずに、AndroidのストレージにLinuxのファイルシステムを作成できますし、bVNCというアプリを用いてLinuxのデスクトップ環境を表示し、Ubuntuの操作が可能となります。
Ubuntuは、使いやすさとセキュリティの高さから、世界中の多くのユーザーに利用されているオープンソースのオペレーティングシステムです。
Android端末上でUbuntuを動かすことで、より自由なカスタマイズや便利なアプリケーションの利用が可能となります。
この記事を参考に、ぜひUbuntuのインストールに挑戦してみてください。
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