はじめに
Amazon Kindle本を出版する際に元になるEPUB形式のファイルを作成するものとして「でんでんコンバーター」については、以前の記事やYouTubeの中で紹介し、また、「Sigil」についても使い方などを紹介しました。
ブログを書いていると、ブログの記事を電子書籍にしてみたいと思うことがあります。
今回、保育園の栄養士のための栄養計算ソフトをVBAで自作し、そのマニュアル的なものを電子書籍にしようと思い、先ずブログ記事を書きました。
そこで、Sigilによりブログ記事をEPUB形式にし、Kindle 本として出版する前の状態(mobiファイル形式)までもっていく方法を紹介しようと思います。
この記事を読むと次のことが理解できるようになります。
なお、ここで利用しているソフトのバージョンなどは次の通りです。
それでは、「Sigilによるブログ記事からEPUB電子書籍への作成方法」について、もう少し深堀りしていきます。
Sigilによるブログ記事からEPUB電子書籍への作成までの工程
Sigilを使ってブログ記事をEPUB形式にする方法として、通常は記事を細かく分割し、細かく分割した記事を登録していくと共に画像ファイルなどもSigilの「image」ホルダーに入れておく必要がありますが、ここで紹介する方法は、記事をSigilに取り込む際に一括して画像ファイルを「image」ホルダーに入れてくれるSigilのプラグイン(DOCXImport)を使った方法を利用します。
それでは、どのような工程で進めていくかを次に示します。
Sigilによるブログ記事からEPUB電子書籍への作成
手順1-1 準備1(プラグインDOCXImportのインストール)
Sigilのプラグインの場所に移動し、下にスクロールし「17.DOCXImport」の下にあるリンクをクリックすると、DOCXImportのページに飛ぶので、一番下にある「 DOCXImport_v0.2.8.zip」をクリックすると、パソコンにダウンロードできます。
ダウンロードした「 DOCXImport_v0.2.8.zip」を解凍せずに、そのままSigilの直下に置きます。
Sigilを起動し、上部メニューの「プラグイン」⇒「プラグインの管理」⇒「プラグインの追加」とクリックし、先ほどダウンロードしてSigilの直下に置いたプラグイン「 DOCXImport_v0.2.8.zip」を指定して開くをクリックすると、プラグイン部分に追加されます。
これで、Sigilに入力する際にWord文書(DOCX)を読み込む込ことができるようになります。
手順1-2 準備2(CSSスタイルシートの準備)
普通は横書きのEPUB形式のスタイルシートは特に必要ないのですが、Wordから読み込むため文書に全てが最初から終わりまで入っていますので、見出し部分でも繋がって表示されてしまいます。
そのために、見出し部分では改ページしてページの初めからになるようにするために見出しの直前に改ページのタグを入れるようにするために、CSSで改ページの設定を入れておきます。
次のテキストをテキストエディターで作成し、好きな所に(ファイル名:style-yoko.cssなど)保存しておいてください。
@charset "utf-8";
p{
margin: 0;
}
.pagebreak {
page-break-after: always;
}
そして、Sigilのソース画面のHTML文書内の改ページしたい部分に次のタグを入れます。
<div class="pagebreak"></div>
手順1-3 準備3(EPUBの表紙の作成)
表紙作成は、何でも良いのですがCanvaを利用するのが簡単に表紙を作成できますのでお勧めです。
Canvaの使い方などは省略しますが、色々な見本から好きなもの(無料で利用できるもの)を選びそれを文字や画像を加工することによりあなたのオリジナルな本の表紙を作成できます。
Canvaのホームぺージに移動し、検索欄に「Kindle」と記入して検索すると、Kndle本の表紙の見本が多数表示されますので、その中から無料のものを選び、文字や画像などを加工します。
下記の画像は、私が作成した表紙です。
手順2 ブログ記事の全文コピー、Word文書に貼り付け
あなたのブログ記事を編集画面からカーソルを記事文書のどこかに置き、キーボードの「Ctrl + A」を押すと、タイトルを除いた全文が選択されますので、その状態でキーボードの「Ctrl + C」を押すと、クリップボードにコピーされます。
Word文書を白紙で起動し、Word文書の左隅にカーソルを置き、そこで、キーボードの「Ctrl + V」を押すとWordのカーソルの置いた位置にコピーした文書が全て貼り付け(ペースト)できます。
手順3 Word文書内で見出しを設定、SigilにWord文書の読み込み
ブログ記事では、見出しがHTMLで設定されていますが、貼り付けした段階で見出しの設定が外れてしまい、標準になっています。
ただ、文字の大きさなどはそのままコピーされます。
したがって、Word文書内の見出しをWordのリボンメニューの「ホーム」⇒「スタイル」からブログ記事で設定した見出し(見出し2~見出し5程度まで)に設定し直します。
見出しの設定をし終えたら、Word文書を保存します。
保存するWord文書名は何でも結構です。
そして、保存したWord文書をSigilに読み込みます。
Sigilを起動し、上部メニューの「プラグイン」⇒「入力」⇒「DOCXImport」とクリックして、「DOCXImport」画面で、インポートするWord文書を選択して「開く」をクリックし、その後、「OK」をクリックします。
すると、Word文書が読み込まれ、プラグイン実行画面が表示され、状態が「sucsess」とでれば、読み込み成功ですので、「OK」をクリックするとSigilのHTMLコード画面とプレビュー画面が並んで見ることができます。
Sigilに文書を読み込んだばかりの状態は、HTMLのコードが詰まって表示され奇麗ではありませんので、コードにカーソル(何所でも良い)を置き、上部メニューの「ツール」⇒「HTMLの再フォーマット」⇒「すべてのHTMLファイルの修正と整形表示」を順にクリックしておくと、HTMLコードが見易くなり後の改ページタグの挿入に役立ちます。
手順4 改ページのタグ入れ、画像の中央寄せ
改ページのタグ入れは、「手順1-2 前準備2(CSSスタイルシートの準備)」で示したように、CSSスタイルシートを読み込み、タグをHTML文書内に挿入していきます。
CSSスタイルシートの読み込みは、左のブックブラウザーの「Styles」にカーソルを置き、右クリックすると表示されるメニューで「既存のファイルを追加」をクリックして、先に作成したスタイルシートのCSSファイルを選択して「開く」をクリックすると、Sigilの「Styles」に読み込まれます。
それでは、改ページのタグをHTML文書の見出しの前に挿入していきます。
次に画像の中央寄せですが、Sigilの「書式」⇒「中央寄せ」でもできますが、分かりずらいので、ここでは、HTMLエディターを見ながら画像を中央寄せを行います。
デフォルトでは画像は左寄せになっており、このままでよいという方は、HTMLエディターを起動して画像の部分で中央寄せをする必要もありません。
SigilにHTMLエディターの設定の仕方については、前のSigilの記事を参考にしてください。
SigilからHTMLエディターを起動し、ツールバーの「外部HTMLエディターを起動」をクリックすると起動しますので、画像の部分で中央寄せに設定をします。
画像の中央寄せの設定は、HTMLエディターにより異なりますので、HTMLエディターの使い方などの記事を参考にしてください。
また、この時点で、文書内容も吟味して、修正する部分があれば直すことが容易にできます。
手順5 Sigilで本文にCSSの設定の割り当て、目次の作成、表紙の追加
スタイルシートの設定を反映するために、ブックブラウザーの「Text」ホルダー内の「Section0001.xhtml」を選択して、その上で右クリックして表示されるメニューで「スタイルシートのリンク…」をクリックすると、スタイルシートのリンク画面が表示されますので、読み込んだスタイルシートにチェックを入れ「OK」をクリックします。
プレビュー画面には改ページの状態は見れませんが、Kindle Previewer3 で見た際には改ページが反映されていることが分かります。
次に、目次の生成を行います。
Sigilのメニューの「ツール」⇒「目次」⇒「目次を生成」をクリックすると、目次の生成画面が表示されますので、「OK」をクリックすると目次が生成されます。
Sigilのブックブラウザーの「Text」ホルダー内の「nav.xhtml」をクリックすると、プレビュー画面に目次を見ることができます。
Kindle本として出版するには目次部分を、本文「Section0001.xhtml」の前に持っていく必要がありますので、ブックブラウザー上で目次「nav.xhtml」をドラッグして本文「Section0001.xhtml」の前に持っていって離します。
次に表紙の追加をします。
Sigilのメニューで「ツール」⇒「表紙を追加」をクリックすると、「表紙を追加」画面が表示されますので、左の「画像」をクリックして右のフィルターと書かれた欄の右にある「他のファイル…」をクリックし、予め作成しておいた表紙の画像を選択して「開く」をクリックすると、表紙の画像が目次の前に追加されます。
手順6 著者名、言語(日本語)、タイトルの設定及び文書保存
手順7 EPUBファイルをmobiファイルに変換
Kindle Previewer3 を起動し、「本を開く」をクリックして、先ほど作成したEPUBファイルを指定して開いて見ましょう。
上図はスマホで見た場合を示したものですが、左上の端末の種類を「タブレット」、「Kndle端末」に変えることにより、それら端末で見た場合のKindle本の見え方を知ることができます。
Kindle Previewer3を見て。これで良いとなればmobiファイルにエクスポートしてください。
出来上がったmobiアフィルをクリックすれば、Kindle for PCが立ち上がり、作成した本を読むことができますし、最近の「Kindle for PC」では女性の声で文書を読み上げてくれます。
わりに
如何だったでしょうか?
Sigilによるブログ記事からEPUB電子書籍への作成までの工程、Sigilによるブログ記事からEPUB電子書籍への作成、手順1-1 準備1(プラグインDOCXImportのインストール)、手順1-2 準備2(CSSスタイルシートの準備)、手順1-3 準備3(EPUBの表紙の作成)、手順2 ブログ記事の全文コピー、Word文書に貼り付け、手順3 Word文書内で見出しを設定、SigilにWord文書の読み込み、手順4 改ページのタグ入れ、画像の中央寄せ、手順5 Sigilで本文にCSSの設定の割り当て、目次の作成、表紙の追加、手順6 著者名、言語(日本語)、タイトルの設定及び文書保存、手順7 EPUBファイルをmobiファイルに変換などについて解説してきました。
ここで記述した方法により容易にブログ記事をEPUB形式にすることができます。
あなたのブログ記事を電子本にしておくことは、電子本でも収益を得ることも可能ですので是非試してみてはいかがだろうか?
電子本は、あなたのお子さんなどにも自慢できる本として一生残ります。
以上です。
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