Power Automate Desktopの初心者向けの使い方|無料版と有料版の違い、ダウンロード、できること、自動実行なども解説!

RPA
この記事は約14分で読めます。

はじめに

 Microsoftが提供する無料で利用できるRPA(Robotic Process Automation)のPower Automate Desktopについて紹介します。

 この記事を読むと次の疑問について知ることができます。

♦RPAとはどのようなもの?
♦Power Automate Desktopとはどのようなもの?
♦Power Automate Desktopの無料版と有料版の違いは何?
♦Power Automate Desktopのダウンロードとインストールはどうするの?
♦Power Automate Desktopの初心者向けの使い方はどうするの?
・最初の第一歩
・フローデザイナーの画面の説明
 上部メニュー
 アクション選択画面
 デバッグ、Webレコーダー、デスクトップレコーダーメニュー
 フロー作成画面
 変数画面
 ステータス画面
●Power Automate Desktopを使ってみよう!
・Webレコーダー
・デスクトップレコーダー
・必要のないコメントの削除とフローの実行、記録

 OS、機種などで説明の仕方が変わってくることがありますので、私の使用しているパソコン環境について載せておきます。

パソコンOS : Windows10 Pro
Windowsバージョン : 21H1

 それでは、さらにPower Automate Desktopを深堀していきたいと思います。

RPAとは?

 RPAとは、Robotic Process Automationの頭文字を取った略語で、パソコンなどの操作をほとんどプログラミングの知識なしでソフトウエアのロボットが代行して自動化する概念です。

 業務を人間に代わって自動化するソフトウェア型ロボット自体のことを、「デジタルレイバー・デジタルワーカー(仮想知的労働者)」と呼ばれています。

 また、、パソコンなどの操作をほとんどプログラミングの知識なしでソフトウエアのロボットが代行して自動化するツールのことを狭義の意味でRPAと言うこともあります。

 日本のメーカーが開発しているRPAには、NTTグループが開発した「 WinActor」、NECの「Software Robot Solution」、富士通の「Axelute」などがありますが、これらを利用するには、かなりの費用が発生します。

Power Automate Desktopとは?

 Power Automate Desktopは、Microsoftが提供するRPAツールで、Windows10のユーザーであれば無料で利用できます。

 2016年10月末に正式に公開されたMicrosoft Flowが2019年11月からMicrosoft Power Automateと改名され、この機能の一部にPower Automate Desktopがありました。

 このMicrosoft Power Automateは有償でした。

 しかし、2021年3月3日にMicrosoftより、Windows10ユーザーの方は追加料金なしでPower Automate Desktopを利用できる旨の発表があり、Windows10ユーザーは無料でこのアプリをダウロードして利用できるようになったわけです。

 このアプリの特徴を次の載せておきます。

Power Automate Desktopの特徴
  •  デスクトップレコーダーとWebレコーダーを利用するとパソコン上の操作を自動で記録し、その操作をリアルタイムで編集が可能
  • 右側に配置されるアクション機能をドラッグ&ドロップで追加して自動化が可能
  • 既に動作が確認済みのPower Automate Desktopのフローは再利用が可能
  • 自己検証するフローの作成が可能
  • 一元化されたログでフローを簡単に監視が可能
  • Windows10ユーザーは無料で利用が可能

Power Automate Desktopの有料版と無料版の違い

 Power Automate Desktopは、基本的には無料で使えますが、有料版にすることによりさらに便利に使うことができます。

 下記の表は無料版と有料版の違いについて載せています。(https://digital-labor.nissho-ele.co.jp/blog/00040/より引用しました。)

価格や機能 無料版 有料版(PREMIUM)
月額価格 無料 1,630円~
レコーダー機能:デスクトップアプリやWebアプリのレコーダー機能を利用可能
使いやすいビジュアルデザイナー:ドラッグ&ドロップで構成できるビジュアルデザイナーを利用してフローを制作
新しいアクション:SAP、メインフレームや AS/400、Java アプリ、Citrix などへの対応
例外処理:条件分岐や例外処理を利用して、検証が必要な複雑なケースの自動化をサポート
フローの自動保存先:作成したフローの保存 One Drive クラウド上Dataverse
クラウドフローとの連携による自動実行:トリガー・スケジュール実行 ×
クラウド版のPower Automateサイトとの接続:フローの集中管理や実行状況の確認 ×
フローの共有:自分の作成したフローをメンバー間で共有 ×
他サービスとの連携:AI Builderや400 以上のプレミアムおよびカスタムコネクタの使用した外部サービスとの連携 ×
デスクトップフローの無人実行:PCへの自動サインインによるフローの実行 ×

Power Automate Desktopのダウンロードとインストール

 Power Automate Desktopを利用するには、Microsoftのアカウントが必要です。

 また、追加料金なしで利用するためには、Windows10を利用している必要がりますので、これから以降は、Windows10での説明となります。

 Power Automate Desktopのページに移動しましょう。

 移動しましたら、左の方にある「無料でダウンロードする >」をクリックします。

 すると、Power Automate Desktopのセットアッププログラム(Setup.Microsoft.PowerAutomateDesktop .exe)がダウンロードフォルダーにダウンロードされます。

 このファイルを、ダブルクリックして起動すると、Power Automate Desktopの設定ウインドウの「パッケージをインストールする」とでますので、右下の「次へ」をクリックします。

 次に、インストール先の設定やパッケージの内容のウインドウが表示されますので、パッケージの内容の一番下にある『「インストール」を選択するとMicrosoftの使用条件に同意したことになります。』にチェックを入れると、「インストール」をクリックできる状態となりますので、「インストール」をクリックします。

 

 「このアプリがデバイスの変更を加えることを許可しますか」と言うウインドウが表示されますので、「はい」をクリックします。

 インストールが実行され、しばらくすると、インストールに成功と言うウインドウが表示されますので、ここで「閉じる」をクリックしても良いのですが、続いて、ブラウザーの拡張機能のインストールをしてしまいましょう。

 このブラウザーの拡張機能をインストールすることにより、その拡張機能をインストールしたブラウザーを用いたWebレコーダーが利用できるようになります。

 ここでは、ブラウザーとして「Microsoft Edge」を選びますが、その他にブラウザーである「Google Chrome」、「Mozilla Firefox」でも同様にインストールできます。

 「Microsoft Edge」をクリックすると、Edgeのブラウザーが立ち上がり、Microsoft Edgeのアドオン画面の「Microsoft Power Automate」が表示されるので、右にある「インストール」クリックします。

『 "Microsoft Power Automate"をMicrosoft Edgeに追加しますか?』と言う小さなウインドウが表示されるので、「拡張機能の追加」をクリックします。

 最後に、「Microsoft Power AutomateがMicrosoft Edgeに追加されました。」と言う小さなウインドが表示されるので、右上の「×」をクリックして閉じて下さい。

 さらに、「インストール成功」のウインドウの「閉じる」をクリックしてください。

 これで、Power Automate DesktopからMicrosoft EdgeのWedレコーダーを利用できるようになります。

Power Automate Desktopの初心者向けの使い方

 上述の方法で、インストールするとデスクトップ上に「Power Automate Desktop」のアイコンが作られているはずです。

 これをダブルクリックして、Power Automate Desktopを起動します。

 下の画像は、起動したPower Automate Desktopの画面ですが、赤の網掛けで自分のフロー内に4つのフローがありますが、これは私が練習で作ったもので、最初に起動すると、この自分のフローには何もない状態になっています。

 それでは、これから順を追って使い方の紹介をしていきます。

最初の第一歩

 最初にすることは、上述の画像で「+新しいフロー」をクリックして、これからPower Automate Desktopのロボットにあなたのパソコン操作などを覚え込ませ自動化するための新しいフローを作成することです。

 通常のプログラミング言語で言う、プログラム名に相当するものと考えて良いと思います。

 「フローを作成する」画面で、フロー名(ここでは、testtraining)を記入し、右下の「作成」をクリックします。

 すると、別ウインドウが立ち上がり、この画面をフローデザイナーと呼び、この画面内で自動化のフローを作成していきます。

フローデザイナーの画面の説明

 フローデザイナー画面は、大きく分けると6つ部分に分けることができます。

 

フローデザイナーの画面構成
  • ① : 上部メニュー
  • ② : アクション選択画面
  • ➂ : デバッグ、Webレコーダー、デスクトップレコーダーメニュー
  • ➃ : フロー作成画面
  • ⑤ : 変数画面
  • ⑥ : ステータス画面

上部メニュー

  • ファイル
    保存、名前を付けて保存、終了
  • 編集
    元に戻す、やり直す、コピー、貼り付け、全て選択、選択のクリア、選択の切り替え、行に移動
  • デバッグ
    実行、次のアクションを実行、一時停止、停止、ブレークポイントの切り替え、全てのブレークポイントを削除
  • ツール
    デスクトップレコーダー、Webレコーダー、ブラウザー拡張機能(Microsoft Edge、Google Chrome、Firefox)
  • 表示
    エラー、検索結果、変数、UI要素、画像、既定のレイアウト
  • ヘルプ
    ドキュメント、学習、コミュニティー、ブログ、バージョン情報

アクション選択画面

 フローを作成してく上での各種アクション(パソコン操作、ファイルの扱い、条件分岐、ループ、Web操作などのアクションの一覧があり、ここからアクションを選んで➃のフロー作成画面にドラッグ&ドロップする画面です。

 上部に検索欄があり、そこのアクションのキーワードを打ち込めば、そのキーワードに関するアクションを容易に見つけることが可能となっています。

デバッグ、Webレコーダー、デスクトップレコーダーメニュー

 上部メニューからでも作成したフローのデバッグを可能ですが、このデバッグメニューからの方がフローを実行、一時停止、停止、アクションごとに実施などに容易にアクセスすることができます。

 また、Webレコーダーで拡張機能をインストールしたブラウザーを起動して、ブラウザーの操作が自動で記録できます。

 さらに、デスクトップレコーダーでは、あなたのパソコン上の操作やアプリを起動したりを自動で記録したりも可能となっています。

フロー作成画面

 ここでは、左のアクション画面からアクションを選択してドラッグ&ドロップしてフローを作成していく画面で、上部にある実行ボタン「▷」をクリックすると、どのアクションが実行されているかも分かり、エラーが出た際には、左横にエラー表示(○に!)が表れ、どのアクションがエラーになったかが分かるようになっています。

 またブレークポイントをアクションの左にあるスペースをクリックすると、●印が付き、そこでフローを止めることができます。

 上部にあるサブフロータブは、他のプログラミング言語で言う関数などに相当するもので、フロー内ででてくる処理で何度も同じ内容のアクション群をまとめて登録する部分で、それを登録することにより、Mainのフローをより見やすくできますし、スッキリしたフローにすることができます。

変数画面

 フローを実行すると、各アクションを実行する際に自動的に作成される変数などにどのような値が代入されているかなどを見ることが可能です。

 これによって、フローが動作しない理由などを知ることができ、フローのデバッグを容易にします。

ステータス画面

 ステータス画面では、現在の状態、Mainフローのアクションの数、サブフローの数、実行遅延(デバッグする際の遅延時間を設定可能)を表示したり、設定できる画面となっています。

Power Automate Desktopを使ってみよう!

 最初は、フローを作成する上で、どのアクションを選んだらよいか分からないと思います。

 そのような時には、あなたがやりたいことをWebレコーダーやデスクトップレコーダーに記録して見て、どのようなアクションが選ばれてフローが作成されているかを知ることが一番勉強になります。

 と言うこと、ここでは、Webレコーダー、デスクトップレコーダーを用いて簡単な操作をフローにしてみたいと思います。

Webレコーダー

 テストケースとして、Webレコーダーを起動して、目的のサイトを開き、閉じるという簡単な操作をフローに記録してみましょう。

 フロー作成画面の上部にある「地球儀マーク」Webレコーダーをクリックします。

 すると、「使用するWebブラウザーインスタンスを指定」画面が表示されますので、あなたが拡張機能をインストールしたブラウザーを選択して、「次へ」をクリックします。

 選択したブラウザー(Microsoft Edge)が新たに立ち上がると共に、Webレコーダーウインドウが表示されます。

 Webレコーダーの「レコード」をクリックすると、文字が「一時停止」に変り、Webレコーダーが記録できる状態をなります。

 この時に、ブラウザーにカーソルを持っていくと赤い枠が表示され、その枠が表示された部分は、Webレコーダーに記録が可能な部分です。

 そこで、「<a>Microsoft 365」をクリックして見ると、ブラウザーはクリックした部分に飛びと同時に、Webレコーダーに記録されます。

 

 ブラウザーを閉じることは、Webレコーダーではできないので、これで右下の「終了」をクリックします。

 Webレコーダで記録したアクションがフロー作成画面にコメントと共に表示されます。

 

デスクトップレコーダー

 実際は、ウインドウを閉じるアクションはアクション一覧から見つけることができるのでそれをドラッグ&ドロップをすればよいのですが、デスクトップレコーダーの使い方を紹介するために、デスクトップレコーダーを使って、閉じてみます。

 フロー作成画面の上部にある「パソコンアイコン」のデスクトップレコーダーをクリックします。

 すると、デスクトップレコーダーが立ち上がりますので、「レコード」をクリックすると「一時停止」に文字が変わり、デスクトップレコーダで記録できる状態となります。

 カーソールを動かすと、赤い枠で囲われる部分はデスクトップレコーダーで記録できる部分ですので、開いたウインドウを閉じるために、ウインドウの右上の赤く囲われた「×」をクリックすると、ウインドを閉じると共に、デスクトップレコーダーにそのアクションが記録されます。

 デスクトップレコーダーの右下にある「終了」をクリックすると、記録されたアクションとコメント(最初と終わり)がフロー作成画面に表示されます。

必要のないコメントの削除とフローの実行、記録

 これで、Microsoft Edgeを起動して、起動した画面の「Micorosoft 365」をクリックして、画面が遷移した後、右上のウインドウを閉じる「×」をクリックするという自動化をしてみましたが、必要のないコメントがありますので消します。

 消し方は、消すコメントを選択し、選択した上で右ボタンクリックするとメニューがでますので、その中から「削除」をクリックすれば、そのコメントを消すことができます。

 また、必要のないアクションも同様に消すことが可能です。

 以上で、フローが作成し終えたら、実際に正常に動くかどうかを、デバッグメニューの実行「▷」をクリックして確かめてください。

 正常に動けば、今まで行ってきた操作をソフトのロボットが操作して、Microsoftのページを開き、次に「Microsoft 365」のページに移り、ウインドウを閉じるという一連の操作を実施てして終えることを見ることができます。

 最後に、このフローが正常に動くことを確認できたら、忘れずにデバッグメニューにある「フロッピーマーク」の「保存」をクリックしてください。

おわりに

 いかがだったでしょうか?

 RPAとはどのようなもの?、Power Automate Desktopとはどのようなもの?、Power Automate Desktopの無料版と有料版の違いは何?、Power Automate Desktopのダウンロードとインストールはどうするの?、Power Automate Desktopの初心者向けの使い方はどうするの?、最初の第一歩、フローデザイナーの画面の説明、上部メニュー、アクション選択画面、デバッグ、Webレコーダー、デスクトップレコーダーメニュー、フロー作成画面、変数画面、ステータス画面、Power Automate Desktopを使ってみよう!、Webレコーダー、デスクトップレコーダー、必要のないコメントの削除とフローの実行、記録などについて紹介してきました。

 この記事を読んで少しでもあなだ自身が役に立ったと思ってもらえれば、これほど嬉しいことはありません。

以上です。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました