Microsoft Publisherの初心者向けの使い方、テンプレートから作成

Microsoft
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2026年5月24日執筆ーーーーーーーーーーーーーーーーー

  1. Microsoft Publisherの初心者向けの使い方のPodcast
  2. 1. 簡易DTPソフトとしてのMicrosoft Publisherの役割と2026年サポート終了の重要性
  3. 2. テンプレートの選択と文書の新規作成
  4. 3. 初心者でもできる基本操作:文字と図の差し替え
    1. テキストの変更手順
    2. 画像(図)の差し替え手順
  5. 4. プロのような仕上がりに見せるデザインの基本原則
    1. 余白の活用
    2. 配色スキームのルール
    3. 要素の「整列」を徹底する
    4. Typography(フォント選定)
  6. 5. 2026年サポート終了に向けたファイルの保存と一括変換
    1. 閲覧用・アーカイブ用:PDFへの一括変換手順
      1. 一括変換スクリプトの実行フロー
      2. 技術的な重要注意点
    2. 編集用:PDFからMicrosoft Wordへの再編集可能化変換フロー
  7. 6. 代替ツールへの完全移行ガイド
    1. 目的別のMicrosoft 365内代替アプリケーション対応表
    2. WordやPowerPointでチラシやパンフレットを美しく仕上げる実用テクニック
      1. Wordでチラシを作る際の必須設定
      2. PowerPointでポスターやチラシを作る際の設定
    3. 本格的なデザインを追い求めたい場合のサードパーティ製強力ツール
    4. サードパーティ製代替ツールの比較
      1. 1. Canva(キャンバ)
      2. 2. Affinity Publisher(アフィニティ・パブリッシャー)
  8. 7. 結び
  9. 参考資料
  10. はじめに
  11. Microsoft Publisherとは?
  12. Microsoft Publisherの起動の仕方
  13. Microsoft Publisherの使い方
    1. テンプレートを用いてPublisher文書を作成
  14. おわりに

Microsoft Publisherの初心者向けの使い方のPodcast

下記のPodcastは、Geminiで作成しました。

1. 簡易DTPソフトとしてのMicrosoft Publisherの役割と2026年サポート終了の重要性

Microsoft Publisher(マイクロソフト・パブリッシャー)は、チラシ、パンフレット、ポスター、名刺、ラベル、カレンダーといった、視覚的魅力が重視される印刷物やレイアウト文書を効率的に作成するための簡易DTP(卓上出版)ソフトウェアです。一般的な文書作成ソフトであるMicrosoft Wordと比較して、画像やテキストボックスなどの各要素(オブジェクト)をミリ単位で自由自在に配置・固定できる優れた操作性を持っています。そのため、デザインの専門知識がない初心者でも高品質な印刷物を直感的に作成できるツールとして、教育機関、小規模ビジネス、自治会などで広く利用されてきました。

しかし、Microsoft Publisherを取り巻く環境は今、大きな転換期を迎えています。Microsoft公式の発表によると、Microsoft Publisherは2026年10月(具体的には永続ライセンス版のサポート終了に伴い2026年10月1日、サブスクリプション版も含めて2026年10月13日)をもって公式サポートが完全に終了し、製品としての生涯を終える(End of Life)ことが決定しています 。

このサポート終了は、利用しているライセンス形態によって今後の利用可否に大きな影響を与えます。

  • Microsoft 365(サブスクリプション版)ユーザー:サポート終了日である2026年10月以降、Microsoft 365のサービスからPublisherが完全に除外されます 。これにより、新規のインストールやダウンロードができなくなるだけでなく、既存の契約プランからアプリ自体が削除され、過去に作成したPublisher専用ファイル(拡張子 .pub)をPublisher上で開いたり編集したりすることが一切不可能になります 。
  • 永続ライセンス版(買い切り版:Office Professional 2021やOffice LTSC 2021など)ユーザー:2026年10月1日の製品サポート終了後も、パソコンにインストールされているアプリ自体は引き続き機能するため、既存の .pub ファイルを開いて編集することは技術的に可能です 。しかし、セキュリティの脆弱性を修正するアップデートや、不具合に対するバグ修正、公式の技術サポートなどは一切提供されなくなります 。セキュリティリスクを抱えたままの利用は推奨されないため、実質的な稼働限界を迎えることになります。

このような背景から、現時点でPublisherの初心者向けの使い方を学ぶ際には、単に目の前のテンプレートから文書を作る手順を習得するだけでなく、作成した大切なデザインデータを将来にわたって保護するための「他形式への保存・変換手順」や、Word、PowerPoint、サードパーティ製ツール(CanvaやAffinity Publisherなど)といった「次世代の代替ツールへのスムーズな移行ノウハウ」をセットで理解しておくことが極めて重要です 。本稿では、初めてPublisherを触る初心者の視点に立ち、テンプレートを用いた基本的なレイアウト作成の手順を丁寧に解説するとともに、迫り来る2026年10月のサポート終了に慌てず対応するための具体的なファイル防衛・移行術についても徹底的に解説します。

2. テンプレートの選択と文書の新規作成

デザインを一から自作することは、レイアウトのバランスや色の選択など、初心者にとってハードルが非常に高い作業です。そこでPublisherでは、あらかじめプロのデザイナーによって骨格が作られた「デザインテンプレート」を出発点として選択し、そこに自前のテキストや画像を流し込んでいく作成手法が推奨されます 。この方法であれば、デザインセンスに自信がなくても、わずか数分でバランスの整った魅力的な印刷物を完成させることができます 。

テンプレートを使用して新規文書を作成する具体的な手順は以下の通りです。

  1. ソフトウェアの起動と新規作成画面の遷移:パソコン上のMicrosoft Publisherアプリを起動します。既に他のPublisher文書を開いている状態であれば、画面左上の「ファイル」タブをクリックし、メニューから「新規」を選択します 。
  2. テンプレートの選択・検索:新規作成画面を開くと、さまざまなテンプレートのプレビューが並ぶギャラリーが表示されます 。ここでは、以下の3つのアプローチから目的に適したベースデザインを見つけることができます 。
    • お勧めのテンプレート:ギャラリーのトップ画面に表示される、利用頻度の高い標準的なデザインから直感的に選択します 。
    • 組み込みテンプレートの活用:「組み込み」と書かれたタブを選択すると、「パンフレット」「ニュースレター」「グリーティングカード」「名刺」「カレンダー」といった、作成したい印刷物のジャンル(カテゴリ)ごとに分類されたデザイン群が表示されます 。カテゴリを選択していくことで、より詳細なデザインパターンを絞り込むことができます 。
    • オンラインでの検索:インターネットに接続された環境であれば、画面上部にある「オンラインテンプレートの検索」ボックスに、作成したいもののキーワード(例:「3つ折りパンフレット」「セール チラシ」「イベント ポスター」など)を直接入力して検索をかけることができます 。Microsoftがサーバー上で共有している、何千種類ものバラエティ豊かな追加テンプレートから自由に選択することが可能となります 。
  3. 文書の作成開始:気に入ったテンプレートを見つけたら、そのプレビュー画像をダブルクリックするか、選択した状態で右下に表示される「作成」ボタンをクリックします 。これにより、選択したテンプレートが編集可能な状態で新しい編集画面(ワークスペース)に読み込まれます。
  4. オリジナルテンプレートの保存:作成したデザインを将来的に何度も再利用したい場合は、独自のテンプレートとしてシステムに保存できます 。ファイルを保存する際、ファイルの種類から「Publisher テンプレート」を選択します 。このとき、既定の保存先(通常は C:\Users\<ユーザー名>\Documents\Custom Office テンプレート)に保存することが重要です 。異なるフォルダへ保存してしまうと、新規作成画面の「個人用」タブに表示されなくなるため、Publisherが自動検出できるようデフォルトパスを維持するのが初心者のための重要なコツです 。

3. 初心者でもできる基本操作:文字と図の差し替え

テンプレートが無事に読み込まれたら、次は中身のテキストや写真をオリジナルの情報に書き換えていく「差し替え作業」を行います。Publisherの編集画面上にあるすべての文字や画像は、個別の「オブジェクト」という枠の中に収められており、これらをパズルのように自由に動かすことができるのが特徴です 。

テキストの変更手順

テンプレートに配置されている「見出し」や「説明文」の文字は、すべて「テキストボックス」という透明な枠に入った仮の文章(プレースホルダー)になっています 。

  1. テキストの選択:変更したい文章の上を直接クリックします。すると、文字の周囲に細い枠線と、位置を調整するための丸い点(ハンドル)が表示されます 。
  2. 文字の書き換え:既存の仮テキストをドラッグして選択状態にし、そのままキーボードから新しい文字を入力します 。
  3. テキストのあふれへの対処:入力したテキストがボックスのサイズを超えてしまうと、枠の右下に赤い「A...」というあふれインジケーターが表示されます 。この状態では印刷時に文字が途切れてしまうため、ハンドルのドラッグによって枠自体を広げるか、文字サイズを小さくして調整を行います。
  4. 不要なテキストボックスの削除:テンプレート内に不要な文字入力欄がある場合は、そのテキストボックスの「枠線」自体をクリックして選択し、キーボードの「Delete」キーを押すことで綺麗に削除できます 。

画像(図)の差し替え手順

テンプレートに配置されている写真やイラスト(図のプレースホルダー)も、簡単な操作で手持ちの画像に差し替えることができます 。

  1. 右クリックメニューの表示:差し替えたい既存の画像の上で右クリックをします 。
  2. 図の変更の選択:表示されたコンテキストメニューから「図の変更」をポイントし、さらに「図の変更」をクリックします 。
  3. 画像の選択と挿入:ダイアログボックスが表示されるので、「ファイルから」を選択し、自身のパソコンのフォルダー内に保存されている差し替え用の画像を選択して「挿入」をクリックします 。これにより、元のレイアウト枠のサイズを極力維持したまま、新しい画像へとスムーズに入れ替わります。
  4. 新規画像の挿入:テンプレートにない新しい画像を追加したい場合は、「ホーム」タブ(または「挿入」タブ)のリボンエリアにある「図」グループから「図」アイコンをクリックし、パソコン内の任意の画像ファイルを指定して配置します 。配置された画像は、マウスのドラッグ操作で直感的に拡大・縮小や位置の移動を行うことができます 。

4. プロのような仕上がりに見せるデザインの基本原則

テンプレートの文字や画像をただ入れ替えるだけでも十分実用的なデザインになりますが、初心者がさらに見栄え良く、プロが作ったような洗練された印象に仕上げるためには、いくつかのデザインの基本原則を押さえておくことが重要です 。

余白の活用

最も重要な原則のひとつが、紙面全体に「余白(ホワイトスペース)」を意識的に設けることです 。情報を一歩でも多く伝えたいからと、すべての隙間に文字や画像をぎっしり詰め込んでしまうと、視線がどこを向くべきか迷子になり、非常に読みづらい乱雑な印象を与えてしまいます 。

  • 文字や図形の間には適度な隙間を空け、要素が密集しすぎないようにレイアウトを調整します 。
  • ページの上下左右にも一定の均等な余白を確保することで、紙面全体が引き締まり、伝えたいメインメッセージが際立って読み手に届きやすくなります 。

配色スキームのルール

色使いは、デザイン全体の雰囲気を決定づける大きな要素です。色数が多すぎると、おもちゃ箱をひっくり返したような落ち着かないデザインになってしまいます。

  • チラシやパンフレットを作成する際は、使用する色の数を基本的に「2〜3色程度」に厳選して抑えることがデザインの基本ルールです 。
  • 基本的な配色の黄金比率は、背景などの広い面積を占める「ベースカラー」を全体の70%、テーマやイメージを表現する主役となる「メインカラー」を25%、最も強調したい重要な情報(価格や日付など)に1色だけ使用する「アクセントカラー」を5%にするバランスが理想的とされています 。
  • Publisherには、あらかじめ専門デザイナーが調和の取れる色の組み合わせを設定した「配色スキーム」機能が備わっています 。「ページデザイン」タブの「配色」ギャラリーから好みのスキームを選ぶだけで、ドキュメント全体の色調を一括で調和のとれた配色へ自動変更することが可能です 。

要素の「整列」を徹底する

配置した複数のテキストボックスや画像の端(左揃え、中央揃え、右揃えなど)がきれいに整列しているだけで、人間の脳は直感的に「美しい」「見やすい」と判断します 。

  • バラバラに置いた要素を整列させたいときは、キーボードの「Ctrl」キーを押しながらそれらの要素を複数選択し、「図形の書式」タブ(または「描画ツール」タブ)の配置グループにある「整列」機能を使って、機械的に端をピタリと揃えましょう 。
  • 人間の視線は基本的に「上から下へ」「左から右へ(Z型やF型)」流れていくため、特に強調したい大切なアピール情報は紙面の上部に配置し、下へ向けて詳細な説明を規則正しく並べる視線誘導を意識します 。

Typography(フォント選定)

使用するフォント(書体)の種類を無秩序に増やすと、統一感が欠如しチープな見た目になってしまいます。基本的には紙面内で使用するフォントの種類を「1〜2種類」に制限し、フォントの太さ(ウェイト)やサイズの違いによって情報の強弱を表現するのが鉄則です 。

  • 親しみやすさやカジュアルな雰囲気を演出したい場合は「丸ゴシック」 。
  • 信頼性や誠実さ、伝統的な高級感を提示したい場合は「明朝体」 。
  • インパクトや認知的視認性を最優先にする場合は太字の「ゴシック体」を選択します 。

5. 2026年サポート終了に向けたファイルの保存と一括変換

2026年10月のサポート終了以降、Microsoft 365の契約者はPublisherを一切使用できなくなります 。これまで書き溜めてきた大切なパンフレットやビジネス資料などの .pub 形式の過去資産を守り、今後も活用し続けるためには、サポートが切れるより前に、確実に閲覧用や編集用の別形式へ一括変換する移行対応を行わなければなりません 。

閲覧用・アーカイブ用:PDFへの一括変換手順

保有している .pub ファイルが数件程度であれば、前述のPDFエクスポート手順で1つずつ手動で保存し直せば十分です。しかし、数年間で蓄積した数十個、数百個に及ぶ大量のファイルを個別に開いて保存し直す作業は非常に困難であり、現実的ではありません 。

Microsoftは、このように大量のPublisher資産を抱えているユーザー向けに、PowerShell(パワーシェル)スクリプトを使用した「PDF一括バルク変換」の処理手法を公式に提供しています 。

一括変換スクリプトの実行フロー

  1. 前提条件の確認:一括変換を自動実行するためには、スクリプトを実行するパソコンに、有効なライセンスを持つMicrosoft Publisherの動作バージョンが事前にインストールされている必要があります 。
  2. 一括変換スクリプトの準備:Microsoft公式のサポートページなどから一括変換用のサンプルスクリプト(例:Convert-PubFileToPDF.ps1)をダウンロードし、任意の作業フォルダに保存します 。
  3. PowerShellの起動と実行ポリシーの有効化:Windowsのスタートボタンから「PowerShell」を管理者権限等で起動し、外部スクリプトの実行を許可するコマンドを入力して、スクリプトを走らせる準備をします 。
  4. コマンドの実行:変換したい対象のフォルダやファイルの状況に合わせて、以下のPowerShellコマンドを実行します 。
  • 指定ファイル(例:MyFile.pub)のみを単一で変換する場合 :PowerShellConvert-PubFileToPDF.ps1 -Filter "C:\Documents\MyFile.pub"
  • カレントディレクトリ(現在選択中のフォルダ)内のすべてのPublisherファイルをPDFに一括変換する場合 :PowerShellConvert-PubFileToPDF.ps1 -Filter "*.pub"
  • 指定フォルダ(例:C:\Documents)内のすべてのPublisherファイルをPDFに一括変換する場合 :PowerShellConvert-PubFileToPDF.ps1 -Filter "C:\Documents\*.pub"
  • 指定フォルダだけでなく、その中にあるすべてのサブフォルダ(階層下のフォルダ)も含めて網羅的に一括変換する場合 :PowerShellConvert-PubFileToPDF.ps1 -Filter "C:\Documents\*.pub" -Recurse

技術的な重要注意点

  • エラーハンドリング:この一括変換スクリプトは、処理の途中で特定のファイルにエラー(破損など)が発生した場合でも、プログラム自体は停止せず次のファイルの処理へと進む設計になっています 。変換処理が完了すると、コンソール画面に「正常に変換されたファイル」と「エラーが発生して失敗したファイル」の一覧がリストで表示されるため、抜け漏れなく確認が可能です 。
  • ファイル名の衝突回避:もし変換後の保存先フォルダに、これから書き出すPDFと全く同名のファイルが既に存在している場合、競合が発生してエラーになり、そのファイルの書き出しは自動的にキャンセルされます 。一括処理を実行する前に、同名の既存PDFがフォルダ内に混ざっていないかを確認し、必要に応じて名前を変更しておくか、別フォルダへ退避させておく必要があります 。

編集用:PDFからMicrosoft Wordへの再編集可能化変換フロー

「閲覧や印刷さえできればよい」という資料であればPDFへの一括変換で十分ですが、今後もテキストを書き換えて使い続けたい「定期刊行の広報誌」「イベントの案内チラシ」などは、サポート終了後も編集ができるデータとして復元しなければなりません 。Publisherから他アプリの形式へ、完全にレイアウトを保ったまま1クリックで直接移行できるような魔法の機能はMicrosoftから提供されていませんが、以下の「PDFからWordへの変換フロー」を用いることで、テキスト情報を生かした再利用が可能になります 。

  1. PDFの用意:まず、前述の手順で目的のPublisherファイルを「PDF形式」で書き出します 。
  2. Microsoft Wordを起動:PCでWordアプリを開きます 。
  3. PDFファイルの読み込み:Wordのメニューから「ファイル」>「開く」を選択し、先ほど保存した「PDFファイル」を探して選択します 。
  4. 変換ダイアログの承認:WordがPDFを検知すると、「PDFを編集可能なWord文書に変換します。この処理には少し時間がかかる場合があります。変換された文書は、テキストを編集しやすいように最適化されるため、元のPDFとまったく同じ表示にはならない場合があります」という通知ダイアログボックスが表示されます。これを確認し、「OK」ボタンをクリックします 。
  5. 編集可能状態で展開:Word側で自動的にテキストや段落構造が再構成され、文字を自由にキーボードで編集できる通常のWord文書として画面に展開されます。ここから必要な箇所をいつでも打ち直して、Word形式(.docx)として保存し直すことが可能です 。
    • レイアウト崩れに関する注意:Wordはこの時、テキストの編集のしやすさを優先してファイルを解析するため、元のPublisherファイルに多数の画像、複雑な飾り罫線、重なり合うグラフィックス、特殊な位置に置かれたテキストボックスなどが多く含まれていた場合、配置が大きくズレたり重なったりする「レイアウト崩れ」が発生する確率が非常に高くなります 。複雑なチラシなどの場合は、テキストデータだけをこの方法で取り出し、デザインの枠組みは後述する他のデザイン専用ツールで再配置するアプローチが現実的です 。

6. 代替ツールへの完全移行ガイド

Publisherの寿命が尽きた後、ユーザーは日常のデザインワークをどの製品へとバトンタッチすべきでしょうか。Microsoftは、これまでPublisherで行っていた各種の印刷・デザイン作業を、他のMicrosoft 365アプリに段階的に分散して引き継ぐロードマップを公式に提案しています 。

以下の対比表は、作成したい目的に応じて推奨されるMicrosoft 365移行先アプリケーションのマッピングです。

目的別のMicrosoft 365内代替アプリケーション対応表

作成する出版物の種類推奨される代替アプリケーション期待できる役割・デザイン上の利点
広告 / チラシWord または PowerPointWordでのテキストボックス配置、PowerPointのスライド自由配置
パンフレットWord または PowerPoint複数ページレイアウト、三つ折りレイアウトのテンプレート活用
バナー / 看板 / ポスターPowerPoint大判用紙のスライドサイズ設定、高解像度でのPDF出力
証明書 / 表彰状Word または PowerPoint賞状用の枠線デザイン、フォントの自由な差し替え
名刺Word または PowerPointグリッド線を用いた複数面配置、自動レイアウト
カレンダーWord または PowerPoint表機能(Word)や図形機能(PowerPoint)の活用
封筒 / 宛名ラベルWord差し込み印刷(住所録データとの連動)による大量印刷
ニュースレター / 会報Wordカラム(段組み)設定、ヘッダー・フッターの統一配置

また、Microsoftが提供している無料のデザインポータルサイト「Microsoft Create」では、WordやPowerPointで即座に使用できる何千種類ものおしゃれなデザインテンプレート(履歴書、招待状、予算表、パンフレットなど)が配布されており、これらも移行を支える非常に強力な選択肢となります 。

WordやPowerPointでチラシやパンフレットを美しく仕上げる実用テクニック

「WordやPowerPointは文書作成やプレゼンのための道具であり、チラシを作るのには向いていないのではないか」という懸念を持つユーザーは少なくありません。しかし、いくつかの「コツ」を押さえた操作手順を踏むことで、Publisherと遜色のない高度なデザイン・レイアウトワークを実現することができます 。

Wordでチラシを作る際の必須設定

通常の設定のままWordを操作すると、1文字打ち込むだけで周囲の画像がズレていくなど、DTPデザインをする上では非常に大きなストレスを感じることになります。Wordをデザイン用ソフトに変身させるために、以下の3つの設定を必ず施しましょう 。

  • 余白を最小化する:用紙を最大限有効に使うため、「レイアウト」タブ >「余白」をクリックし、最も狭い「狭い」に設定を切り替えます 。
  • 文字はすべて「テキストボックス」の中に書く:白紙のWordにそのまま文字を打ち込むのではなく、「挿入」タブから「テキストボックス(横書き)」を作成し、その中に文章を書きます 。このままでは白い背景と外枠の黒い線が表示されてしまうため、テキストボックスを選択した状態で「図形の書式」タブから、「図形の塗りつぶし」と「図形の枠線」を両方とも「なし(透明)」に設定します 。これで、文字だけが空間に浮いたオブジェクトになり、Word上の好きな位置にミリ単位で自由に配置・ドラッグできるようになります 。
  • 画像は配置を「前面」に固定する:画像を挿入したら、その画像の右上に出てくる「レイアウトオプション」の小さなアイコンをクリックし、位置設定を「前面」に変更します 。これにより、画像が他の文字の並びに干渉されなくなり、マウス操作だけで画面のどこにでも自由に配置できるようになります 。

PowerPointでポスターやチラシを作る際の設定

PowerPointはスライドを「真っ白なキャンバス」として扱えるため、DTPソフトに非常に近い自由度の高いドラッグ&ドロップ編集が行えます 。

  • 印刷サイズを設定する:用紙を縦置き(例えばA4)に設定したい場合は、「デザイン」タブ >「スライドのサイズ」>「ユーザー設定のスライドのサイズ」をクリックします 。そこで幅を 21.0cm、高さを 29.7cm(一般的なA4サイズ)に指定し、印刷の向きを「縦」に設定することで、簡単にチラシのキャンバスが完成します 。あとは、図形や文字を重ねていくだけで、視覚的に訴求力の高い広告やポスターを作成することが可能です 。

本格的なデザインを追い求めたい場合のサードパーティ製強力ツール

「やはりMicrosoft製品以外の専用デザインソフトを使って、もっと表現力にこだわりたい」という制作意欲の高いユーザーに向けて、世界中で爆発的な支持を集めている、Publisherに代わる代表的な2つの代替ツールを紹介します。

サードパーティ製代替ツールの比較

ツール名ライセンス形態主なメリット適したユーザー層
Canva基本無料(サブスクプランあり)数万種類のテンプレート、ブラウザのみで動作、簡単な操作デザイン初心者、手軽にチラシを作成したい個人・小規模店舗
Affinity Publisher買い切り版(8,800円)Adobe InDesign並みのプロ仕様、一括購入で追加費用なし複数ページの本格的な同人誌や社内報を制作したい経験者

1. Canva(キャンバ)

Canvaは、パソコンのウェブブラウザやスマートフォンの専用アプリから、一切の初期インストール不要で基本無料で使い始めることができる世界的人気デザインプラットフォームです 。

  • ドラッグ&ドロップの直感的な操作感:初心者であっても、テンプレートに並ぶ素材をマウスで引きずって動かすだけで、プロ仕様のチラシ、ポスター、名刺、パンフレットを数分で作成できます 。
  • 圧倒的な素材力と高品質テンプレート:王冠マークのついた有料素材を除いても、数万件以上のセンスあふれる無料デザインテンプレートや、美しいイラスト・高品質な写真・フォント素材が自由に使える点が最大の特徴です 。
  • 注文からお届けまでワンストップ:完成したデザインは「印刷用PDF」としてダウンロードできるほか、Canva上でボタン1つ押すだけでそのまま紙への印刷発注を自宅へ送料無料で行うこともできます 。

2. Affinity Publisher(アフィニティ・パブリッシャー)

Affinity Publisherは、パンフレットや同人誌、社内広報誌、会報など、複数ページに及ぶ本格的な冊子物の編集(DTP)を今後も変わらない本格的なクオリティで継続したいと願うプロやハイアマチュアのための、非常に実用的な本格ページレイアウトソフトです 。

  • コストパフォーマンス抜群の「買い切り型(パーペチュアル)」:最大のライバルであるAdobe Indesignなどが毎月高額な利用料を支払い続けなければならないサブスクリプション制であるのに対し、Affinityシリーズは一度購入すれば追加費用なしで永久に利用できる「買い切り型(一括購入方式)」を採用しています 。
  • 手が届きやすいリーズナブルな価格設定:これほど高度なDTP機能を備えながら、パソコン(Desktop)版は通常価格8,800円(税込、iPad版であれば3,200円)という驚くほど手頃な単発コストで購入可能であるため、Publisherからの本格的なプロフェッショナル向け受け皿として高いシェアを確立しています 。

7. 結び

Microsoft Publisherは、初心者が印刷物やデザイン作成の第一歩を踏み出す上で、非常にわかりやすくて頼りになる素晴らしいDTPソフトウェアでした。しかし、2026年10月のサポート終了という大きな節目を前に、私たちは既存のデジタル資産をしっかりと守り、次世代のデザイン環境へとステップアップするための大事な準備段階に入っています 。

本稿で解説した「適切な余白の確保」「2〜3色に抑える配色スキーム」「端をきれいに揃える要素の整列」といった基本デザインのルールは、Publisherだけに限らず、Word、PowerPoint、Canva、あるいはその他のあらゆる代替デザインツールで作品を作る際にも100%そのまま活かせる普遍的なグラフィック原則です 。まずは、手元にある過去の大切な .pub 形式のファイルをPDFやWordに確実に変換して未来へと引き継ぎ、同時に、より進化した魅力的な現代の代替デザインツールにも積極的にチャレンジして、より快適で自由度の高いクリエイティブなデザイン活動をぜひ継続していきましょう。

参考資料

  1. Microsoft Publisher は、2026 年 10 月以降はサポートされなくなります、https://support.microsoft.com/ja-jp/publisher/microsoft-publisher-will-no-longer-be-supported-after-october-2026
  2. Publisher support for documents - Microsoft Q&A、https://learn.microsoft.com/en-us/answers/questions/5862668/publisher-support-for-documents
  3. Publisher being terminated October 2026 - Microsoft Q&A、https://learn.microsoft.com/en-us/answers/questions/5898632/publisher-being-terminated-october-2026
  4. Concerned about Publisher retirement. Want information on perpetual Publisher - Microsoft Q&A、https://learn.microsoft.com/en-us/answers/questions/5807759/concerned-about-publisher-retirement-want-informat
  5. Retiring Publisher - Microsoft Q&A、https://learn.microsoft.com/en-us/answers/questions/5850754/retiring-publisher
  6. Publisher で作成する - Microsoft サポート、https://support.microsoft.com/ja-jp/publisher/create-a-publication-in-publisher
  7. Publisher でテンプレートを検索、作成、または変更する - Microsoft サポート、https://support.microsoft.com/ja-jp/publisher/find-create-or-change-a-template-in-publisher
  8. Publisher を使用してパンフレットを作成する - Microsoft サポート、https://support.microsoft.com/ja-jp/publisher/make-a-brochure-using-publisher
  9. テンプレートを使おう - PC Webzine、https://www.pc-webzine.com/article/1653
  10. Office Publisherの基本的な使い方 - PCubik、https://pcubik.com/office-publisher-how-to/
  11. 機能とテンプレートを活用して魅力的なチラシを作る - マネーフォワード クラウド、https://biz.moneyforward.com/work-efficiency/basic/23599/
  12. Microsoft Publisher は 2026年10月にサポートが終了 - パソコンのツボ ~ Office のTIP、https://pcclick.seesaa.net/article/518903327.html
  13. Microsoft Create, Templates for Word and PowerPoint、https://create.microsoft.com/en-us?ocid=oo_create_visitors_templates_publisher
  14. Canvaでチラシを作ろう テンプレートを使ったチラシデザインの作り方 - グラフィック、https://www.graphic.jp/feature/canva_flyer
  15. ポスターの作り方 - Canva、https://www.canva.com/ja_jp/create/posters/
  16. チラシ・フライヤーの作り方 - Canva、https://www.canva.com/ja_jp/create/flyers/
  17. Canvaの基本的な操作方法についてわかりやすく解説 - Asobo! Web Blog、https://blog.asobou.co.jp/web/canva-howto1
  18. パワーポイントでチラシを作る手順 - グラフィック、https://www.graphic.jp/feature/powerpoint_flyer
  19. Microsoft Word でチラシのテンプレートを使用する方法 - Microsoft、https://word.cloud.microsoft/create/ja/flyer-templates/
  20. チラシとポスターのデザイン テンプレート - Microsoft、https://powerpoint.cloud.microsoft/create/ja/flyers-posters-templates/
  21. パワーポイントでチラシを作る手順【テンプレート使用】 - DEECH、https://deech.co.jp/area_marketing_news/2893/
  22. Affinityなら1つ8,800円で購入できる - X-BUZZ、https://x-buzz.co.jp/blog/zatsudan/3787/
  23. Affinityの特徴は買い切り型 Adobe CCとの比較 - note、https://note.com/n_studio/n/ndf958b4a0225

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2021年9月28日執筆ーーーーーーーーーーーーーーーーー

はじめに

 各種カード、チラシ、しおり、名刺、カレンダーなどが簡単に作成できる、Microsoft Publisherについて紹介します。

 この記事を読むと、次の疑問について知ることができます。

  • Microsoft Publisherとは?
  • Microsoft Publisherの起動の仕方
  • Microsoft Publisherの使い方
    • テンプレートを用いてPubisher文書を作成

 OS、機種などで説明の仕方が変わってくることがありますので、私の使用しているパソコン環境やスマホについて載せておきます。

パソコンOS : Windows10 Pro
Windowsバージョン : 21H1

Microsoft Publisherとは?

 Microsoft Publisherとは、Windowsで動作する簡易DTP(Desktop Publishing、卓上出版)アプリなんです。

 DTPとは、本、新聞などのレイアウトなどをパソコン上から割り付け編集して、印刷まで行えること。

 Microsoft Publisherは、かなり古い1991年に初版がリリースされており、現在でもMicrosoft 365のアプリ群の1つで、利用するにはMicrosoft 365を購入する必要があります。

 これは、チラシなどの作成ではPower Pointを利用、本などではWordを利用という具合にPublisherを利用する方はあまりいないようです。

 これは、Publisherの認知度が低いためであり、実際に利用するとチラシなどの作成ではPower Pointにはないグラフィカルな表現力で出力でき、印刷まで行えます。

 このような素晴らしいアプリがあることを皆さんに知ってもらう上でもここに紹介しようと思った次第です。

 ここで、Microsoft Publisherの特徴などをまとめてみましょう。

  1. テキスト、写真、罫線、カレンダーなどを正確に配置して、本格的な割り付け(レイアウト)で綺麗な印刷物を作成可能
  2. 豊富なテンプレートにより専門的な資料も簡単に作成可能
  3. Microsft Wordと同様なUIを持っており、Wordを利用している方ならスムーズに利用が可能
  4. 色々なファイル形式をサポートしており、インポートやエクスポートして他のアプリで活用するなどが可能
  5. かなり古くからあるアプリなので情報が豊富であり、わからないことを調べることも容易

Microsoft Publisherの起動の仕方

 Microsoft Publisherを利用するには、Microsoft 365を購入する必要がありますが、試しに使ってみたいという方は1ヶ月無料お試しがありますので利用するのも良いでしょう。

 Winスタートキーの右にある検索欄(Cortana)に「publisher」と記入して表示されるアプリ「Publisherアプリ」をクリックします。

 すると、Publisherのホーム画面が立ち上がります。

Microsoft Publisherの使い方

 Microsoft Publisherを起動すると、新規作成、テンプレートを選択して開始の2つから選んで始められます。

 また、あなたの作成しようとする内容のテンプレートがあれば、テンプレートを選択してPublisherで文書を作成すれば、新規作成に比較して容易にチラシや文書などを作成できます。

 ここでは、テンプレートを用いたPublisherの使い方を紹介します。

テンプレートを用いてPublisher文書を作成

 Publisherのホーム画面から上部の右の方にある「その他のテンプレート →」をクリックします。

 「オンラインテンプレートの検索」と書かれた検索欄の下の「ラベル」をクリックすると、ラベルに関するテンプレートが読み込まれ表示されます。

 ラベルのテンプレートを下にスクロールし、「しおり(昆虫)」を作成しようと思いましたが、「テンプレートのダウンロード中に問題が発生しました」と表示され読み込めませんでした。

 そこで読み込めるものとして、「60歳の母の誕生日」のポスターがありましたので、これをダウンロードして読み込みました。

 テンプレートを読み込んで作成する画面が出ますので、「作成」をクリックします。

 テンプレートを元にして、枠を変更して、中の文書を変えて、4隅に花の画像を光源を薄くなるように設定して配置して作成した「妻への感謝ポスター」が次のとおりです。

 そして、これを印刷する画面が次の図のとおりです。

 上述の画像を見ると、印刷はA4用紙6枚に印刷されることが分かります。

おわりに


 如何だったでしょうか?

 Microsoft Publisherとは?、Microsoft Publisherの起動の仕方、Microsoft Publisherの使い方、テンプレートを用いてPubisher文書を作成などについて解説しました。



 この記事が少しでもあなたにとって役に立てればこれほど嬉しいことはありません。


以上です。


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