HP ChromebookにLinux(日本語環境)の導入、Thunderbirdのインストール、使用記(7)

Chromebook
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はじめに

 今回はHP Chromebookの使用記の第七弾としてHP ChromebookにLinux(日本語環境)の導入、Thunderbirdのインストールを紹介します。

 この機種の購入を考えておられるならば次を参照にして下さい。

 なお、Amazonについては、旧モデルのものを載せておきます。

商品画像
総品名 HP Chromebook x360 14b-cb0000 シリーズ コンフォートモデル ンテル® Pentium® Silver N6000 プロセッサー(1.10GHz-3.30GHz, キャッシュ 4MB) 14b-cb0005TU
(楽天市場、Yahoo!ショッピング)
Google Chromebook HP ノートパソコン インテル Pentium® Silver 8GBメモリ 64GB eMMC 14インチ フルHDブライトビュー・IPSタッチディスプレイ 2in1 コンバーチブルタイプ 日本語キーボード HP Chromebook x360 14b
(Amazon)
商品の評価 4.3
(レビュー総数433件)
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価格はこちらから Amazonから 楽天市場か Yahoo!ショッピングから

 この記事を読むと、次のことについて知ることができます。

  • Linuxとは?
  • HP ChromebookにLinux環境を構築
    • Linuxのインストール
    • Linux開発環境のアップデート
    • タイムゾーンの設定
  • 日本語環境の構築
    • フォントのインストール
    • Localeの変更
    • 日本語変換Mozcのインストール
    • 環境変数の設定
    • 自動起動の設定
    • LinuxのVMの再起動
    • 日本語入力fcitx の設定
  • Thunderbirdのインストール

 OS、機種などで説明の仕方が変わってくることがありますので、私の使用しているパソコン環境について記しておきます。

パソコンOS : Windows10 Pro
Windowsバージョン : 21H1
Chromebook : Chromebook Pentium Silver N6000 8GB 128GB eMMC フラッシュメモリ 14.0型 IPS タッチディスプレイ Wi-Fi 6 HP Chromebook x360 14b (型番:48J49PA-AAAD)

Linuxとは?

 Unix系オペレーションシステムの1つにLinuxがあり、商用でも無料のために家電、スマホ、自動車などを動かすOSやパソコンなどのOSなどの色々なものに利用されています。

 Linuxは、フィンランド出身のアメリカのプログラマーであるリーナス・トーバルズ氏が開発したOSで、1991年に最初のバージョンが公開されています。

 Linuxは、オープンソースのために色々な方が開発したLinuxが存在し、元のLinux(カーネル、核)に利用しやすくするためのソフトウエア群を一緒に付属して配布するものをLinuxディストリビューションと呼び、多くのLinuxディストリビューションが存在します。

 Linuxディストリビューションの一つにDebianがあり、HP ChromebookにあるLinux開発環境(ベータ版)はこのDebian 10(Buster)が簡単にシンスートールできるようになっています。

 Chrombookは、Chrome OSのためAndroidアプリやGoogle系のアプリなどが動作しますが、Windows用のアプリは動作しません。

 Windows用のアプリでもLinuxで動作するものも多数存在し、Chrome OSで動作しないものもLinuxで動作させることが可能となるため、アプリの面で補い合えます。

HP ChromebookにLinux環境を構築

Linuxのインストール

 Chromebook起動画面の右下隅にある通知、日本語入力、WiFi接続、時間が小さく表示された部分をクリックして、自右上部の「歯車マーク(設定)」をクリックします。

 

 設定画面が開くので、左メニューの「詳細設定」⇒「デベロッパー」のLinux開発環境(ベータ版)と書かれた部分の右にある「オンにする」をクリックします。

 Linux開発環境(ベータ版)のセットアップ画面が表示されますので、「次へ」をクリックします。

  Linux開発環境(ベータ版)のセットアップ画面でユーザー名(デフォルトでChromebookの登録する際に利用したGoogleのメールアドレスで○〇〇.gmail.comの〇〇○が表示されます。)、ディスクサイズ(デフォルト:推薦(7.5GB)がON)などを入力、クリックした後、「インストール」をクリックします。

  「Linuxをインストールしています…」と表示され。インストールが終わると、ターミナルが立ち上がります。

Linux開発環境のアップデート

 Linux開発環境を最新お状態にアップデートするためにターミナルに次のような文字を入力し、リターンを押します。

sudo apt update && sudo apt upgrade -y

 Linuxのアップデートが進行し、2度ほど「Do you want to accept these changes and continue updating from this repository? [y/N]」と聞いてくるので「y」を記入して、リターンを押します。

  最後に緑色の文字で「〇〇○@penguin: 」(〇〇○:登録時のあなたのユーザー名)が表示されたらアップデートは終了です。

タイムゾーンの設定

 現在のタイムゾーンがどのようになっているか?、調べるために次のように入力します。

timedatectl status

 上図からタイムゾーンが「Asia/Toko (JST, ;0900)」となっており設定する必要があリませんでした。

日本語環境の構築

 フォントのインストール

 先ず、日本語フォント関係をインストールします。

 下記の3つの文を一つづ上から実行していきます。(1つ目の文を入れて実行終了後に2つ目を入力して実行し、3つ目まで実行を行います。)


sudo apt install task-japanese locales-all fonts-ipafont -y
sudo localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE="ja_JP:ja"
source /etc/default/locale

Localeの変更

 localeを日本語に変更します。

 次の2文を入れて実行します。

sudo localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8
source /etc/default/locale

日本語変換Mozcのインストール

 Googleの日本語入力のオープンソース版 Mozc をインストールします。

 次の文をターミナルに入力してリターンを押して下さい。

sudo apt install fcitx-mozc -y

環境変数の設定

 ファイルであるcros-garcon-override.conf に環境変数の設定を追加します。

 環境変数を追加するためにvimエディターを起動します。

sudo vim /etc/systemd/user/cros-garcon.service.d/cros-garcon-override.conf

 cros-garcon-override.confファイルを開いて起動すると次にような画面となります。

 カーソルが一番上にありますので、カーソルを下に移動して最後の文字まで持っていった後、「i」キーを押下すると、挿入モードになりますので、改行して次の3文を記入します。

Environment="GTK_IM_MODULE=fcitx"
Environment="QT_IM_MODULE=fcitx"
Environment="XMODIFIERS=@im=fcitx

 記入し終えたら「esc」キーを押してコマンドモードに戻り、「ZZ」を押して、上書き保存して終了します。

自動起動の設定

 Linuxを起動したら、自動的に日本語入力が行えるように設定します。

 次の文を記入した後リターンを押下します。

echo "/usr/bin/fcitx-autostart" >> ~/.sommelierrc

LinuxのVMの再起動

 今までのターミナルウインドウを閉じてシャットダウンします。

 再度、再度Chromebookのランチャーからターミナルを起動します。

日本語入力fcitx の設定

 日本語入力fcitx の設定画面を開きます。

 次の文を入力してリターンを押下して下さい。

fcitx-configtool

 「入力メソッドタブ」を確認し、「キーボード - 英語(US)」、「Mozc 日本語」の順で設定されていればOKです。

 起動して日本語入力がすぐ使いたいならば、「「Mozc 日本語、キーボード - 英語(US)」の順に下の「∧」をクリックして順序を入れ替えて下さい。

Thunderbirdのインストール

 日本語入力がちゃんと利用できるかを確かめる意味でもメールアプリの「Thunderbird」をインストールしてみます。

 次の文をターミナルに記入しリターンを押下します。

sudo apt install thunderbird-l10n-ja

 ランチャーからデスクトップを開き、Linuxのホルダーを見ると、中に「Thunderbird」がインスールされて入っていることが分かります。

 「Thunderbird」のアイコンをクリックして、起動すると「既存のメールアドレスのセットアップ」画面が開き、名前(「エイじー」と入力して、日本語が使えることが分かります。)、メールアドレス、パスワードを記入して「続ける」をクリックします。

 さらに、プロトコルの選択画面が出るので「IMAP」、「POP3」のどちらかを選択して「完了」をクリックします。

 

 Googleのアカウントのログイン画面「アカウント1つですべてのGoogleサービスを。」が表示されますので「次へ」をクリックします。

 さらに、パスワードの入力画面になりますので、Googleアカウントのパスワードを記入して、「ログイン」をクリックします。

 

 2段階認証であなたのスマホにメールが届きますので、「はい」をクリックします。

 「Mozilla Thunderbird EmailがGoogleアカウントへのアクセスをリクエストしています」とでるので、「許可」をクリックします。

 これで、Windowsで利用していた「Thunderbird」と同じメーラーが利用できるようになりました。

 メールアドレスの内容を読み込むまでにかなり時間がかかりますが、しばらくすると、gmailの内容がThunderbird上に表示されます。

おわりに

 Linuxとは?、HP ChromebookにLinux環境を構築、Linuxのインストール、Linux開発環境のアップデート、タイムゾーンの設定、日本語環境の構築、フォントのインストール、Localeの変更、日本語変換Mozcのインストール、環境変数の設定、自動起動の設定、LinuxのVMの再起動、日本語入力fcitx の設定、Thunderbirdのインストールなどについて解説してきました。
 この記事が少しでもあなたにとって役に立ってもらえればこれほど嬉しいことはありません。
 
以上です。