SGEとは?Googleが発表した生成AIによる新しい検索体験を解説

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はじめに

 Googleの検索アルゴリズムは常に進化しており、その中でも特に注目されるのがGoogle のSGE(Search Generative Experience )です。

 SGEは2023年5月10日にGoogle I/Oで発表されましたが、現時点ではまだ実験段階でありますが、2023年8月30日に日本で試験運用が開始されました。

 この記事では、Google のSGEとはどのようなものか?、実際に新しい検索体験を基にして紹介します。 

Google I/Oで発表されたSGEの内容

 Googleは、2023年5月10日のGoogle I/O 2023の発表の中の「Introducing Labs and our new Search Generative Experience」と言う項目で初めてGoogle SGEについて紹介しています。

 下記は、Google I/O 2023の発表の要約を書いたものです。

Google I/O 2023: 皆さんのためにAIをもっと役立つものにする

Google I/O 2023は、AI-first企業としての7年間の旅路の中で、AIをさらに役立つものにできるエキサイティングな転換点に立っています。GoogleはAIを製品に適用して、人々、ビジネス、コミュニティ、すべての人々のために製品を根本的に役立つものにする機会を持っています。以下はGoogle I/O 2023の要点です:
🤖 AI in our products: Gmailでの新機能「Help me write」を紹介。メールの内容に合わせて自動的にメールのドラフトを生成する機能が追加されます。
🗺️ New Immersive View for routes in Maps: Google MapsがImmersive View for routesを導入し、ユーザーが旅行を事前に体験できるようになります。
📷 A new Magic Editor experience in Photos: Google Photosに新しいMagic Editor体験が追加され、写真の編集がさらに強化されます。
🌐 Making AI more helpful for everyone: GoogleはAIを全製品に活用し、ユーザーの知識、創造性、生産性を向上させ、開発者とビジネスにも新たな機会を提供し、AIを責任ある方法で展開することで、使いやすく役立つものにすることを目指しています。
🧩 PaLM 2 and Gemini: GoogleはPaLM 2とGeminiという新しいAIモデルを紹介し、AIの基盤を強化し、多くの新しい製品と機能を提供します。
👁️ AI responsibility: Tools to identify generated content: GoogleはAIの責任を深く考え、生成コンテンツを識別するツールを開発し、AIの安全性を向上させています。
🗣️ BardとWorkspaceのアップデート: Bardという会話型AIの進化と、Google Workspaceの新機能が紹介されました。
🔍 ラボと新しい検索生成エクスペリエンス(Google SGE)の紹介: Googleは新しい「ラボ」を導入し、製品のエクスペリエンスをプレビューする方法を提供します。
Google I/O 2023では、AIを通じて製品をさらに役立つものに進化させる革新的なアプローチと新機能が発表されました。これにより、ユーザー、ビジネス、コミュニティ全体がAIの恩恵を受けることができるでしょう。

 そして、THE JAPAN NEWSで「Google’s AI Search Service SGE Available in Japan on Trial Basis 」と言うタイトルの記事でSGEの日本での試験運用について詳しく報じており、日本は米国に次いで2番目に公開されました。

 THE JAPAN NEWSでの記事の要約は次の通り。

GoogleのAI検索サービスSGE、日本で試験運用開始
Googleの生成型人工知能検索エンジンは、2023年8月30日に試験運用の形で日本に上陸しました。この機能は、今年5月にアメリカで導入され、日本はSearch Generative Experience(SGE)にアクセスできる2番目の国となりました。また、この2月にはアメリカのテック巨大企業であるMicrosoftも、競合する検索エンジンBingの生成型AIバージョンを立ち上げています。
SGEは、Googleの通常の検索エンジンや生成型AIサービスBardとは別に運用されています。現時点では、実験的なサービス用のGoogle Search Labsアプリに登録するユーザーに無料で提供されています。SGEを使用すると、ユーザーは検索エンジンに質問を入力できます。通常の検索エンジンはリンクを表示しますが、SGEサービスは検索結果に基づいて生成されたテキストを表示し、ユーザーが複数のウェブサイトを読む必要なく関連情報を取得できます。その後、ユーザーは会話形式で追加の質問をすることができます。
Googleの生成型AI検索エンジン、日本で試験運用開始 アメリカで導入されたSGE、日本が2番目の国に Microsoftも生成型AI搭載のBingを発表 SGEは通常のGoogle検索エンジンとは別に運用 無料提供はGoogle Search Labsアプリに登録したユーザー対象 SGEを使用して、ユーザーは質問を入力し関連情報を簡単に取得 ユーザーは会話形式で追加の質問が可能
GoogleのSGEは、検索体験を向上させ、ユーザーに迅速で的確な情報提供を行います。この試験運用が成功すれば、日本のユーザーにとって非常に有用なツールとなるでしょう。また、競合他社も同様の技術を導入しており、今後のAI検索エンジン市場が注目されます。

SGEとは?

 SGEは、ユーザーの質問に対してAIが自然言語で回答を生成し、検索結果の一番上に表示し、また、ユーザーはその回答に対してさらに質問をすることができ、会話形式で検索を続けることが可能です。

 SGEは、複雑な質問や一つの正しい回答が存在しないような状況にも対応できるとされており、生成AIの技術を活用して検索エンジンの検索結果を充実させる機能ですが、同時にWebマーケティングやSEOにも大きな影響を与える可能性があります。

 SGEの特徴は、以下のとおりです。

  • 検索結果の背景色が異なるエリアに、生成AIによる情報が表示され、さらに掘り下げるトピックの候補が「追加で聞く」という項目に表示されます。
  • 「追加で聞く」トピックのクリック後の画面では、対話形式でさらなる質問もできます。

 SGEの影響は、大きく分けて以下の2つです。

  • 検索結果の理解と活用の向上
    SGEでは、生成AIがユーザーの質問に対して自然言語で回答を生成します。これにより、ユーザーは検索結果を読むだけでなく、関連記事をクリックしてすぐに調べることができます。自然言語での回答は、検索結果を理解しやすくするだけでなく、ユーザーのニーズに応えることもできます。
  • 検索の新たな体験の提供
    SGEでは、生成AIが回答に加えて、関連する質問やキーワードも提案します。これにより、ユーザーは会話形式で検索を続けることができます。会話形式の検索は、ユーザーがより深く知りたいことや興味のあることを探求することを可能にします。

 SGEによって、ユーザーは、検索結果をより理解し、活用しやすくなります。また、対話形式でさらなる質問をすることで、より深く検索結果を探求することができます。

 SGEは、まだ試験的な機能ですが、今後、Google検索の新しいスタンダードになる可能性があります。

 具体的には、SGEによって以下の効果が期待できます。

  • 検索結果の理解の向上
  • 検索結果の活用の向上
  • 検索の効率化
  • 検索の新たな可能性の拡張

 SGEは、生成AIの技術を活用した新しい検索体験であり、今後の展開が期待できます。

SGEを利用するにはどうすればよいの?

 GoogleのSGEは、そのままでは利用できません。

 GoogleのSGEを利用するには、「Search Labs」の申請画面を開き、「SGEを有効にすると、検索時に表示されることがあります」と書かれた右のスライドスイッチONにすると、「SGE: 生成 AI による新しい検索体験」と言うウインドウが表示されますので、「同意する」をクリック

 すると元の画面に戻りますので、「例を見る」をクリックすると、Googleで「ウッドデッキを作るには」(この検索内容はその時々により異なります。)を検索した際のSGEの画面が表示されます。

Google SGEを実際に使ってみる!

 ここでは、次の3つの検索を実施してみました。

  1. ムラサキシキブ(樹木) 基本情報
  2. プログラミング言語 おすすめ
  3. 北海道 芝桜 ランキング

ムラサキシキブ(樹木) 基本情報の検索

 検索ワードに「ムラサキシキブ(樹木) 基本情報」と記入して、検索するとGoogle SGEから背景が緑で右の方には関連記事、下の方には追加で質問が可能な項目が並んだ検索結果が表示されました。

 そして、その下の方にはSEOで一番の記事が表示されています。

 以上の結果を見ると、Google SGEで検索された内容で十分、あるいは関連して表示される記事をクリックすれば、ほとんどが知りたいことを網羅できてしまい、ゼロクリック検索という結果となり、SEOで一生懸命検索順位を上げて上位表示させても、Google SGEの右に表示される記事に取り込まれないと読まれないという結果となる可能性が大きいと感じました。

プログラミング言語 おすすめ

 検索ワードに「プログラミング言語 おすすめ」と記入して、検索するとGoogle SGEから背景がブルーで右の方には関連記事、下の方には追加で質問が可能な項目が並んだ検索結果が表示されました。

 下に表示される質問から「プログラミングのサイン大言語は?」をクリックすると、さらに、Google SGE による検索結果が表示され、情報収集が足りていまう結果となりました。

 この結果から、前にも述べましたが、ほとんど下の記事(SEOで上位表示された記事)を見ることなく情報収集が済んでしまう気がしました。

北海道 芝桜 ランキング

 検索ワードに「北海道 芝桜 ランキング」と記入して、検索するとGoogle SGEから背景がピンクで右の方には関連記事、下の方には追加で質問が可能な項目が並んだ検索結果が表示されました。

 「追加で聞く」から「北海道で芝桜と同時期に見れる花」と聞いてみました。すると、Google SGEかられ「北海道で芝桜と同時期に見れる花」に関する生成AIによる回答と、関連記事が表示され。やはり、下の記事(SEOにより上位表示した記事)を見ることなく情報収集が済んでしまいました。

おわりに

 2023年8月30日、Googleの生成型人工知能検索エンジン(SGE)が日本で試験運用の形で導入されました。

 これはアメリカに続いて2番目の国での導入であり、SGEは通常のGoogleの検索エンジンや生成型AIサービスBardとは別に運用されています。

 ユーザーはSGEを使用して質問を入力し、関連情報を簡単に取得することができ、また、ユーザーは会話形式で追加の質問も可能です。

 SGEは検索結果の一番上に生成AIによる情報を表示し、さらに関連する質問やトピックの提案も行います。

 これにより、ユーザーはより深く検索結果を探求することができ、この試験運用が成功すれば、日本のユーザーにとって非常に有用なツールになると思われます。

 SGEはまだ試験的な機能ですが、今後の展開に期待しましょう。

 以上です。

 

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