はじめに
Googleの検索アルゴリズムは常に進化しており、その中でも特に注目されるのがGoogle Bardアップデートです。
2023年5月23日から6月7日までに3回マイナーなアップデートがなされており、これはGoogleがBardアップデートに非常に力を入れていることを示しています。
Bardアップデートは、Google検索の動作や表示、ランキング要因や評価基準、サイトやページのパフォーマンスなどに大きな影響を与えます。
そのため、Bardアップデートに対応することは、SEOにとって非常に重要な課題です。
この記事では、Bardアップデートでどう変わったかを実際の事例と分析を交えて紹介します。
アップデートの内容
Google Bardは、Googleが開発した自然言語処理の技術を用いた検索アシスタントです。Bardは、検索クエリやコンテンツの意味や文脈をより深く理解し、高度な回答や分析を提供します。 Bardはまだ試験運用中ですが、それにもかかわらず2023年5月23日から6月7日までの間に3回のマイナーなアップデートがされています。
その内容は、次の通り。(https://bard.google.com/updatesから引用)
- Bard に画像を導入
英語での回答について、Bard が Google 検索から画像を表示できるようになりました。Bard に直接画像をリクエストすることもできます。Bard は各画像のソースを表示します
【2023年6月1日のアップデート】
- 正確な位置情報により回答の関連性が向上
デバイスの正確な位置情報の使用を Bard に許可すると、より関連性の高い回答が表示されるようになりました。この設定は、位置情報の設定新しいウィンドウで開くで管理できます。
【2023年6月7日のアップデート】
- より高度な計算とデータ分析のために Bard がコードを実行
英語版から、計算に関するメッセージを検出し、バックグラウンドでコードを実行するように Bard を更新しました。これにより、数学的なタスク、コーディングに関する質問への回答をより適切に行えるようになりました。 - Bard が生成したテーブルを Google スプレッドシートにエクスポート
Bard が生成したテーブルを、Google スプレッドシートに直接エクスポートできるようになりました。
これらのアップデートの内容をGoogle Bardで実際に確かめていきたいと思います。
Google Bardを利用してアプデ―と内容の確認
2023年5月23日のアップデート(Bard に画像を導入)
このアップデートは、Bardが視覚的な情報も提供できるようになり、例えば、「(Sky Tree seen from above)上空から見たスカイツリー」などの画像をBardにリクエスト(英語でのみ対応)すると、Google検索から関連する画像が表示されます。また、画像の出典も確認できます。
上空から見たスカイツリーの画像が表示され、出典も書かれていましたが、残念ながら出典のソースをクリックしても表示されませんでした。
一方、Bing AIに「スカイツリーについて詳しく教えて」と聞いてみると、次のよう回答があり、日本語の質問に対応していることなどからBardがまだBing AIに追い付いていないことが分かります。
2023年6月1日のアップデート(正確な位置情報により回答の関連性が向上)
正確な位置情報により回答の関連性が向上し、デバイスの正確な位置情報の使用を Bard に許可すると、より関連性の高い回答が表示されるようになります。
このアップデートにより、Bardは位置情報を利用して、地域に応じた回答を提供できるようになりました。例えば、「今日の天気」や「近くのレストラン」などの質問をBardに入力すると、現在地から最適な回答が表示されます。この機能は、位置情報の設定からオン・オフできます。
「今日の天気を教えて」と聞くと、自分が住んでいる地域の天気予報を教えてくれます。
「この部分に自分の住んでいる地域が入る」の今日の天気は、晴れです。最高気温は25度、最低気温は15度です。風は北から吹き、風速は10メートルです。湿度は70%です。
今日は洗濯日和です。外出する際は、日焼け対策を忘れずにしてください。
また、「近くのレストランを教えて」と聞くと、住んでいる地域の近くのレストランを教えてくれます。
- ロイヤルホスト東久留米店(前沢1丁目7−16)
- ステーキハウス ブロンコビリー東久留米店(幸町4丁目19−1)
- 自然食コミュニティレストラン YOUR BIG FAMILY(本町4丁目10−25)
これらのレストランは、すべて東久留米駅から徒歩圏内にあります。また、それぞれに特徴的な料理を提供していますので、お好みに合わせて選んでみてください。
これらのレストランは、実際に検索した結果は、事実確認が取れました。
2023年6月7日のアップデート
より高度な計算とデータ分析のために Bard がコードを実行
英語版から、計算に関するメッセージを検出し、バックグラウンドでコードを実行するように Bard を更新しました。これにより、数学的なタスク、コーディングに関する質問への回答をより適切に行えるようになりました。
最初に数学的な問題で3次方程式を(x^3 - 3x^2 - 6x +8 =0)英語で解いて(Solve the cubic equation x^3 - 3x^2 - 6x +8 =0)と聞いてみました。
if n == 0:
return 0
elif n == 1:
return 1
else:
return fibonacci(n - 1) + fibonacci(n - 2)
n = int(input("フィボナッチ数列の何番目の値を求めますか?"))
print("フィボナッチ数列の{}番目の値は{}です。".format(n, fibonacci(n)))
このプログラムをGoogle Claboで実行すると、ちゃんと求めることができました。例えば、n=10とすると、n番目のフィボナッチ数列の値は55と出ます。
フィボナッチ数列は、1、1、2,3,5,8,13,21,34,55,・・・であり、確かに10番目は55であることが分かります。
Bard が生成したテーブルを Google スプレッドシートにエクスポート
ここでは、Bardに表を作成し、その表をGoogleGoogle スプレッドシートにエクスポートしてみます。
表には、Google Bard、Bing AI、Perplexty AIの比較表を作成してみました。
表の中身は事実確認が必要ですが、Google スプレッドシートにエクスポートできますので、Google スプレッドシート上で色々修正や分析なども行えます。
2023年6月7日までにアップデートしたBardを使った感想
Google Bardは、様々なアップデートによって、画像や位置情報、コードなどを利用して、より豊かな回答を提供できるようになってきています。私は、これらの機能を試してみて、Bardの能力に驚きました。特に、コーディングの問題に対して、Pythonのプログラムを書いてくれたり、表を作成してくれたりする機能は、とても便利ですし、Bardが生成した表をGoogle スプレッドシートにエクスポートできることも、データ分析に役立つことは明らかです。
しかし、Bardにはまだ改善すべき点もあります。例えば、画像の出典のソースが間違って表示されなかったり、数学的な問題で間違った解答を出したりすることがありました。また、全ての内容に対して日本語での質問に対応していないことも残念でした。Bing AIやPerplexty AIと比べると、Bardはまだ劣っている部分が多いと感じたのも事実です。
Google Bardは、試験的な運用版であり、まだ完璧でないことは当然であり、今後のBardのアップデートに期待しつつ、他のAIとも比較しながら使ってみたいと思います。
おわりに
Google Bardは、自然言語処理の技術を用いた検索アシスタントで、2023年5月23日から6月7日までに3回のアップデートがされました。
これらのアップデートによって、Bardは画像や位置情報、コードなどを利用して、より豊かな回答を提供できるようになってきています。
しかし、Bardにはまだ改善すべき点もあり、ある部分には日本語に対応していないことや、数学的な問題で間違った解答(他のAIでも同様)を出すことなどがったりしました。
Bardはまだ試験的な運用版であることなどを考え合わせると、今後のアップデートに期待しつつ、他のAIとも比較しながら使ってみたいと思います。
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