【Automatic1111 WebUIの拡張機能】ネガティブプロンプトを簡単入力「Easy Negative」、簡単アスペクト比を設定できる「Aspect Ratio Selector」について解説

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はじめに

 Automatic1111 WebUIは、Stable Diffusionの画像生成AIを用いて色々なことが行えるアプリで、拡張機能から各種機能を追加できます。

 前回には「Easy Prompt Selector」と言うプロンプトを簡単に選択して入力できる機能を追加しましたが、今回はNegative Promptを簡単に入力できる「Easy Negative」と画像のアスペクト比(解像度)を簡単に設定できる「Aspect Ratio Selector」について、深堀して解説したいと思います。

 この記事を読むと次の疑問について知ることができます。

 OS、機種などで説明の仕方が変わってくることがありますので、私の使用しているパソコン環境について載せておきます。

パソコンOS : Windows11 Pro
Windowsバージョン : 22H2
Automatic1111 WebUI のバージョン : 1.5.1

Easy Negative とは?

 「Easy Negative」は、はネガティブプロンプトと呼ばれ、生成したくない要素を指定するテキストを自動的に生成してくれます。

 ネガティブプロンプトは、意図しない表現や品質の低下を防ぐために重要な役割を果たしますが、自分で入力するのは面倒だったり難しかったりします。

 そこで、「Easy Negative」を使うと、ネガティブプロンプト欄に「EasyNegative」を入力するだけで、複雑なネガティブプロンプトが適用されるようになります。これにより、簡単に美少女イラストのクオリティを向上させることができます。

 「Easy Negative」は、「Easy Negative V2」と言う新しいバージョンがあり、これらは「Counterfeit」という美少女イラスト生成モデル用に作られたものですが、「Easy Negative V2」は「Easy Negative」の上位互換と言うことではないようです。

Easy NegativeやEasy Negative V2のインストール

「Easy Negative」や「Easy Negative V2」を導入する方法はとても簡単で、「Hugging Face」サイトからファイルをダウンロードします。

 「Easy Negative」は「embed/EasyNegative 」から「EasyNegative.safetensors」というファイルをダウンロードします。

 「Easy Negative V2」は、「 gsdf/Counterfeit-V3.0」の「Files and versions」の「embedding」から「EasyNegativeV2.safetensors」というファイルをダウンロードします。

 次に、ダウンロードしたファイルはStable Diffusion web UIのインストールフォルダ内の「embeddings」フォルダに移動します。私の場合は、「C:\A1111 Web UI Autoinstaller\stable-diffusion-webui\embeddings」のフォルダーになります。一度、Stable Diffusion web UIを再起動した方が良いでしょう。

 すると、起動したStable Diffusion web UI画面の「生成」ボタンの下にある5つのマークの中の真ん中の「追加ネットワークの表示/非表示」をクリックして、「Textual Inversion」タブの下にインストールした「Easy Negative」と「Easy Negative V2」があることが分かります。

Easy NegativeやEasy Negative V2の使い方

Negative Promptによる生成される画像の変化

 「Easy Negative」や「Easy Negative V2」を使用する方法も簡単です。

 Stable Diffusion web UIを起動して、モデルとして「Counterfeit-V3.0」などを選択し、次に、プロンプト欄に生成したいイラストの特徴や条件を入力します。例えば、「Girl in maid's uniform(メイド服の女の子)」と記入します。

 そして、ネガティブプロンプト欄には、「EasyNegative」とか「EasyNegativeV2」とか入力します。これだけで、ネガティブプロンプトが自動的に生成されますので、あとは、「生成」ボタンを押して、美少女イラストを生成するだけです。

 次のnegative promptを変化させる条件で画像生成し、比較してみました。

  • モデル:Counterfeit-V3.0.safetensors [db6cd0a62d]
  • SD VAE:vae-ftmse-840000-ema_pruned.safetensors、Clip skip:2
  • negative prompt
    1. 記入なし
    2. none
    3. EasyNegative
    4. EasyNegativeV2
  • サンプリング方法:DPM++ 2M Karras、サンプリングステップ数:20
  • 顔の修復、タイリング用の画像を生成、高解像度補助:にチェックなし
  • 画像のサイズ:512×512、シード値:1424548089
  • バッチ回数:1、バッチサイズ:1
  • CFGスケール:7、スクリプト:None
  • プロンプト:Girl in maid's uniform

 上述の画像を見ると、明らかにNegative Promptに「記入なし」や「none」を記入した場合よりも、「EasyNegative」や「EasyNegativeV2」と記入した方が画質が向上していることが分かります。

 しかし、「EasyNegative」と「EasyNegativeV2」の違いは、少なく好みの問題でどちらを取るか決めるとよいでしょう。私は、「EasyNegativeV2」の方が良いように思います。

negative prompt と Checkpoint name(モデル名)による生成される画像の変化

 次に、negative prompt と Checkpoint name(モデル名)の両方を変化させた際の生成された画像の違いを見るために「xyz plot」と言う機能(Stable Diffusion web UIに標準で付属する機能)を使うことにより、x軸の変化を「negative prompt」、y軸の変化を「Checkpoint name(モデル名)」として、作動させることにより2次元の画像変化を見ることができます。この機能については、改めて解説しますが、この結果を以下に示します。なお、「negative prompt」が「記入なし」では、「xyz plot」が起動しなかったので、「記入なし」の代わりに「none」を記入して調べてみました。

画像生成条件は以下の通り。

  • モデル
    1. Counterfeit-V3.0.safetensors [db6cd0a62d]
    2. anything-v4.5.safetensors [1d1e459f9f]
    3. beautifulRealistic_v60.safetensors [bc2f30f4ad]
    4. dreamshaper_8.safetensors [879db523c3]
    5. realisticVisionV51_v51VAE.safetensors [15012c538f]
    6. chilloutmix_NiPrunedFp32Fix.safetensors [fc2511737a]
  • SD VAE:vae-ftmse-840000-ema_pruned.safetensors、Clip skip:2
  • negative prompt
    1. none
    2. EasyNegative
    3. EasyNegativeV2
  • サンプリング方法:DPM++ 2M Karras、サンプリングステップ数:20
  • 顔の修復、タイリング用の画像を生成、高解像度補助:にチェックなし
  • 画像のサイズ:512×512、シード値:1424548089
  • バッチ回数:1、バッチサイズ:1
  • CFGスケール:7、スクリプト:None
  • プロンプト:Girl in maid's uniform

 上述の画像を見ると、実写系モデルに対しては、「EasyNegative」や「EasyNegativeV2」の効果はあまり見られないようで、むしろ悪くなることもあり、実写系のモデルに対しては、「Negative prompt」を実際に記入していく方が良いと思われます。

Aspect Ratio Selector とは?

 「Aspect Ratio Selector」とは、Stable Diffusion web UIで利用できる拡張機能の一つで、この拡張機能を導入すると、生成するイラストのアスペクト比やサイズをワンクリックで調整できるようになります。

 アスペクト比とは、画像の横幅と縦幅の比率のことで、例えば1:1や16:9などと表され、アスペクト比を変えると、画像の見た目や印象が変わります。

Aspect Ratio Selector のインストール

 「Aspect Ratio Selector」を使うには、まずインストールする必要があります。インストール方法は以下の通りです。

  1. Stable Diffusion web UIの操作画面で「拡張機能」→「拡張機能リストタブ選択
  2. 「読込」ボタンクリック
  3. 検索欄に「Aspect Ratio Selector」と記入すると、検索結果として2つほど表示されます。
  4. この中から「Aspect Ratio selector UI関連」の横にある「インストール」をクリック
  5. 実行の部分が「インストール済」と表示されたら、「インストール済」タブ⇒「アップデートを確認」を順にクリックし、「sd-webui-ar」の横にあるアップデート欄が「最新版」であることを確認
  6. 適用してUIを再起動ボタンクリック
  7. シードの下に「Aspect Ratio Selector」のメニューが表示されます。

Aspect Ratio Selector の使い方

 「Aspect Ratio Selector」を使う方法は以下の通りです。

アスペクト設定ボタンの使い方

 上段の「アスペクト比設定(1:1、3:2、4:3、16:9)」ボタンを押すと、現在入力されているHeightの値に応じたWidthの値を自動設定してくれます。例えば、「16:9」のボタンを押すと、高さが512の場合、アスペクト比が16:9になるよう幅を計算して(512×16÷9=910)自動で設定してくれます。

 なお、これらは変更や追加して自分なりにカスタマイズが可能で、後で解説します。

固定解像度ボタンの使い方

 下段の「固定解像度(1,2,3)」ボタンを押すと、あらかじめ登録してある固定サイズ(1(square):512×512、2(landscape):768×512、3(Portrait):403×716)に変更することができます。初期状態では3つのボタンがありますが、自分でカスタマイズすることも可能で、後で解説します。

Calc ボタンの使い方

 上段左上の「Calc」ボタンを押すと、「Aspect Ratio Calculator」というメニューが開きます。ここでは、任意のアスペクト比やサイズを計算して設定することができます。

 例えば、ある画像生成サイトから画像の解像度を調べた値を「Width 1」と「Height 1」に入力(ここでは、幅:1120、高さ:1408)すると、直ぐにそのアスペクト比が「Aspect Ratio: 35:44」が計算されます。

 幅又は高さを指定(ここでは、height 2:1024)してやり、「Calculate Width」をクリックすることにより、高さ:1024に対いするアスペクト比35:44になるように、幅が計算され「width 2 :815」、「適用」ボタンをクリックすることにより、幅:815×高さ:1024が上のアスペクト比に設定されます。

アスペクト設定ボタンのカスタマイズ

 アスペクト設定ボタンの設定ファイルは、「stable-diffusion-webui\extensions\sd-webui-ar」ホルダー内の「aspect_ratios.txt」であり、テキストエディターで修正や追加ができます。

 「aspect_ratios.txt」内に書かれている文字は次の通り。

1:1, 1.0 # 1:1 ratio based on minimum dimension
3:2, 3/2 # Set width based on 3:2 ratio to height
4:3, 4/3 # Set width based on 4:3 ratio to height
16:9, 16/9 # Set width based on 16:9 ratio to height 

 これに、2:3、3:4、9:16を加えたファイルを上書きします。

1:1, 1.0 # 1:1 ratio based on minimum dimension
3:2, 3/2 # Set width based on 3:2 ratio to height
4:3, 4/3 # Set width based on 4:3 ratio to height
16:9, 16/9 # Set width based on 16:9 ratio to height
2:3, 2/3 # Set height based on 2:3 ratio to width
3:4, 3/4 # Set height based on 3:4 ratio to width
9:16, 9/16 # Set height based on 9:16 ratio to width

 書き換えたら、「拡張機能」⇒「インストール済」⇒「アップデートを確認」してから「適用してUIを再起動」をクリックすることにより、変更が反映されます。

固定解像度ボタンのカスタマイズ

 固定解像度ボタンの設定ファイルは、「stable-diffusion-webui\extensions\sd-webui-ar」ホルダー内の「resolutions.txt」であり、テキストエディターで修正や追加ができます。

 「resolutions.txt」内に書かれている文字は次の通り。

1, 512, 512 # 1:1 square
2, 768, 512 # 3:2 landscape
3, 403, 716 # 9:16 portrait

 これに、4(ブログのアイキャッチ画像)、5(YouYubeのサムネイル画像)を追加してみます。

1, 512, 512 # 1:1 square
2, 768, 512 # 3:2 landscape
3, 403, 716 # 9:16 portrait
4, 1200, 630 # 40:21 アイキャッチ画像
5, 1280, 720 # 16:9 サムネイル画像(YouTube)

 書き換えたら、「拡張機能」⇒「インストール済」⇒「アップデートを確認」してから「適用してUIを再起動」をクリックすることにより、変更が反映されます。

まとめ

 Automatic1111 WebUIの拡張機能である「Easy Negative」や「Aspect Ratio Selector」は、ユーザーにとって非常に便利な機能です。

 特に、「Easy Negative」はネガティブプロンプトの簡単入力を可能にし、美少女イラストのクオリティ向上に貢献します。「Easy Negative V2」も新たなバージョンとして登場し、好みに合わせて使い分けることができます。

 また、「Aspect Ratio Selector」は画像のアスペクト比の設定を簡単に行える機能であり、見た目や印象を変えることができます。ボタンをクリックするだけで適切なアスペクト比が設定され、自分でカスタマイズすることも可能です。

 これらの機能を使うことで、より使いやすく効果的なAutomatic1111 WebUIの活用が可能となります。ぜひ、記事を参考にしてこれらの機能を活かしてみてください。

おわりに

 この記事では、「Easy Negative」と「Aspect Ratio Selector」という拡張機能について解説しました。

 これらの機能を使用することで、ネガティブプロンプトの簡単入力や画像のアスペクト比の簡単設定が可能となります。

 また、インストール方法や使用方法についても詳しく説明しました。

 これらの機能を活用することで、より簡単かつ効果的な画像生成が可能となります。

 皆さんも、活用してください。

以上です。

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